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「薬草を噛んで・塗って・仲間の傷を癒す」血縁を超えた思いやりの行動に研究者も注目

荒巻俊 アクセス  

互いに薬草を塗って治療することも

血縁関係がなくても治療の助け合い

親社会的・衛生的な行動に関する研究分析

引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料

野生のチンパンジーが薬用植物を噛んだり、つけたり、塗ったりして、自分や他のチンパンジーの傷を治療し、血縁関係がなくてもこうした助け合いを行うという研究結果が発表された。

学術誌「進化生態学最前線(Frontiers in Evolution and Ecology)」は、この内容を含む論文を14日(現地時間)に掲載した。

「数百万年前、霊長類共通の祖先の時代からそうだったのではないか」

 

引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料

研究者たちは、ウガンダのブドンゴ保護区現地事務所(BCFS)にて、過去30年にわたりチンパンジーの群れ「ソンソ(Sonso)」と「ワイビラ(Waibira)」を観察・記録した日誌と映像に加え、4か月間ずつ2回にわたりチンパンジーのあらゆる行動を近距離で直接観察するフィールド調査を行い、このような結論に至ったという。

論文では、チンパンジーが「自発的に」他の個体あるいは自分の傷を治療したり、衛生管理を行った観察事例が紹介されている。

自分の傷を舐めたり、指で傷口を押さえたりするのはもちろん、薬草の葉で傷をこすったり叩いたりする行為、薬用植物を噛む行為、噛んだ薬草を指で傷口に塗る行動などが観察されたのだ。

実際、2021年10月13日には、左膝を負傷したのち傷を舐め、亜熱帯植物アカリファの茎から葉をもぎ取って細かく噛み、傷口に塗ったりこすったり、葉で傷口を叩いたりするソンソ群の未成熟の雄個体が確認されたという。

また、交尾の後に雌が葉で生殖器を拭いたり、排便後に葉で後始末をするなど、衛生管理を行う様子も観察された。

さらに、罠にかかって負傷したチンパンジーが、別のチンパンジーの助けを借りて罠から抜け出すと言う「利他的」な行動の事例も報告された。

研究者たちは、論文の補足資料の中で、こうした行動の一部を記録した映像も公開した。

引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料
引用:「進化生態学最前線」掲載論文資料

この論文に紹介されたチンパンジーの社会的行動様式や利他的な治療行動などに類似した事例は、チンパンジーだけでなく、オランウータンやボノボなど他の一部の種でも観察されているという。

論文の著者たちは、今回の研究が1993年から2024年までのデータと直接観察による研究を、標準プロトコルに従って総合的かつ体系的に分析した初めての事例であると説明した。

また、チンパンジーが傷の治療に使う具体的な植物種を特定し、リストとして作成して薬理学的な分析と結びつけたのも初めてだと強調した。

あわせて、チンパンジーが血縁関係のない個体に対して治療行動を施す事例を記録することで、こうした行動様式がチンパンジーの群れの中で、これまで認識されていたよりもはるかに広範囲にわたって存在しているという証拠を追加したと発表した。

これに関連して、論文の共同著者であるエロディ・フレイマン博士は、NBCニュースを通じて「動物たちは互いに助け合う存在だ。誰が助けを必要としているのかを把握し、その助けを与える能力を持っている」と語った。

さらに博士は、数百万年前の他の霊長類と人間の共通の祖先も、こうした社会的・利他的な治療行動を行う能力を持っていた可能性が高い、と加えて説明した。

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