
NVIDIAがチャットGPT開発企業オープンAIに約束していた1,000億ドル(約15兆5,000億円)の投資計画を保留したとの報道が出て、第3四半期(10〜12月期)の上場を控えるオープンAIの行方に黄信号がともった。NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は翌日、「あり得ない話だ」として沈静化を図ったものの、競争が激しさを増すAI市場で、オープンAIは資金調達の不透明感に向き合う状況に置かれている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は1月30日(現地時間)、関係者の話として、NVIDIA社内でオープンAI投資に懐疑的な見方が広がり、議論が停滞していると報じた。両社は2025年9月、NVIDIAが10ギガワット(GW)規模の計算資源を構築し、オープンAIがその枠組みの一部としてNVIDIAから半導体(チップ)を借り受ける内容の覚書(MOU)を交わしている。ところが最近、NVIDIAはこのMOUを「法的拘束力のない初期段階」と位置づけ、提携の方向性そのものを見直す空気があるとも伝えられた。
WSJは、合意が最終決定する前に大型契約を急いで公表しがちなサム・アルトマンCEOの姿勢が、かえって裏目に出た可能性もあると指摘した。ジェンスン・フアン氏が、オープンAIの放漫な経営運営や、GoogleのGeminiの追い上げによる市場支配力の低下を警戒し、投資や提携のペース調整に動いたとの見立てだ。実際、オープンAI内部では、Googleの伸長に備えて非常体制「コードレッド」を発令するなど、危機感が強まっているとされる。
ジェンスン・フアン氏は否定、それでも実利重視の投資は継続

議論が広がる中、ジェンスン・フアン氏は1月31日、台湾・台北で記者団に対し、「オープンAIに過去最大規模の投資を行う」と述べ、懸念の払拭を図った。ロイターやブルームバーグなどによると、同氏は「非常に大きな投資になる」と強調した一方、具体的な金額は明かしていない。投資規模が1,000億ドルを超えるかとの質問には、「違う」とだけ答えたという。
NVIDIAはオープンAIに一本化せず、投資先を広げてもいる。2025年11月には、オープンAIの有力対抗馬とされるAnthropicに100億ドル(約1兆5,500億円)の投資を約束した。さらに1月26日には、AIクラウド基盤企業コアウィーブに20億ドル(約3,100億円)を追加投資した。
ただWSJは、オープンAIがNVIDIAにとって最大級の顧客である以上、どのような形であれ財務面の支援を行う必要があるとの認識も、NVIDIA側にあると補足している。オープンAIも「両社は提携の詳細を積極的に詰めている」とし、「NVIDIAの技術は当初から当社の革新を支えてきた。今後の拡大局面でも中核的な役割を担う」との立場を示した。
















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