
2022年2月24日にウクライナ侵攻戦争を開始したロシアの次の標的がドイツだという分析が提起された。これはバルト三国(リトアニア、ラトビア、エストニア)やフィンランドなどが次のターゲットになるという従来の予測を覆すものである。
エストニアの国家安全保障研究所のエルキ・コルト所長は3日(現地時間)ポーランドの週刊誌『Wprost』に「ウラジーミル・プーチン大統領にとって重要なのは、北大西洋条約機構の後方を弱体化させることであり、その中心がドイツだ」とし、「ロシアがNATOの辺境(バルト三国やフィンランドなど)を攻撃して何を得られるのか」と述べた。
コルト所長は、ドイツをロシアに隣接するNATO前線諸国の後方基盤と位置づけている。これを先に無力化しなければ、エストニアやスヴァウキ回廊への攻撃は成功しにくいとみられる。

スヴァウキ回廊はポーランドとリトアニアの間にある約65kmの長さの狭い陸上通路だ。北側にはロシアの領土であるカリーニングラードがあり、南側にはロシアと密接な同盟国であるベラルーシがある。
このような地理的特性のため、スヴァウキ回廊はNATOのアキレス腱と見なされている。ロシアがスヴァウキ回廊を掌握すればカリーニングラードとベラルーシがつながり、バルト三国はポーランドなど他のNATO同盟国と陸路で完全に分離される。
以前、ポーランドは昨年ロシアとベラルーシがスヴァウキ回廊を占領するために「ザパド(西側)」合同軍事訓練を実施したと非難したことがある。
ロシアはなぜドイツを「主敵」と見なすのか
ロシアがバルト三国を孤立させるスヴァウキ回廊などのNATO前線よりも、ドイツを次の標的として挙げる理由の一つに、戦争の正当性がある。
コルト所長は「プーチン大統領とロシア政府はドイツを自国の主敵と見なしている」とし、「ロシアの過大妄想ではあるがエストニア接境地域であるナルヴァやスヴァウキ回廊よりもドイツ攻撃の方がむしろ正当化されると見ている」と分析した。
以前、第二次世界大戦当時ナチス・ドイツはソ連に甚大な被害を与えた。ロシアは「祖国戦争」または「大祖国戦争」を通じてナチス・ドイツを打ち負かし、数十年が経った2014年にはナチス撲滅を名目にウクライナを侵攻しクリミア半島を強制併合した。現在もロシア連邦安全保障会議副議長のドミートリー・メドヴェージェフ氏などロシアの関係者はウクライナを支援するドイツに対して、ナチス時代の過去を持ち出し心理戦を展開している。
ロシアに有利なドイツの第二次世界大戦のトラウマ
この他にもコルト所長はドイツ社会全般が自国防衛能力に悲観的だと指摘し「ヨーロッパで最も重要な国(ドイツ)を麻痺させるのは比較的容易である。ロシアはこれを通じて膨大な宣伝効果を得られる」と見込んだ。
続けてウクライナ戦争勃発以降のドイツの再武装について「前線では金だけで戦わない」としロシアの脅威に対抗する意志が依然として不足していると指摘した。
またドイツのための選択肢(AfD)などロシアに親和的な極右勢力、ロシアがドイツに築いている情報ネットワーク、旧東ドイツ地域を中心にドイツに居住する約350万人のロシア語使用者などもロシアがドイツを侵攻するのに好都合な環境として挙げられた。
実現可能性は?
バルト三国やスヴァウキ回廊などはNATOの領域に属しながらも軍事的に比較的脆弱な地点と見なされる。これらの国がロシアの次のターゲットになるという懸念が絶えない理由だ。
コルト所長の展望はこのような一般的な見解と大きな違いを示す。さらに集団防衛体制であるNATOはドイツが攻撃されればアメリカを含む加盟国全体がロシアと対峙しなければならないため、ロシアがNATO加盟国を攻撃するのは現実的に難しい。
何よりNATOは核戦力を保有しているため核抑止力を期待できる。
ただし最近イランと戦争中のドナルド・トランプ米大統領がNATO脱退を言及するなど同盟の結束力が緩んでいる状況で、プーチン大統領の予想外の決断が前線の追加または新たな前線を生み出す可能性があるという懸念は絶えない。
これに一部では世界がイラン戦争で苦しむと同時にトランプ大統領の発言でNATOの余波が起きている現在、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領だけがこの状況を「楽しんで」見ていると分析している。
北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長は1月、欧州議会に出席し「ヨーロッパがアメリカなしで防衛可能だという考えは夢に過ぎない」とし「独自防衛論はロシアのプーチン大統領が喜ぶことなので再考すべきだ」と述べた。














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