
フォルクスワーゲンをはじめとする世界の主要な自動車メーカーが、極めて高い競争力を持つ中国の電気自動車(EV)メーカーに押され、苦渋の選択として中国撤退(チャイナ・エクソダス)に相次いで乗り出している。今後、こうした動きが常態化する可能性も浮上している。
経済メディアなどの報道を総合すると、中国の自動車産業は2000年代初頭までそれほど競争力が高くなかった。製造工程が極めて複雑な内燃機関(エンジン)車において、短期間で技術力を高めることは困難であり、当時は外資勢の優位が揺るがなかった。世界の大手メーカーが、当時未開拓市場だった中国で20年以上にわたり利益を享受してきたのも、そうした背景があった。
しかし、構造が比較的単純なEV分野で中国が圧倒的な先進国として台頭した今、状況は一変した。比亜迪(BYD)などの中国メーカーが急成長を遂げる一方、外資ブランドは販売低迷により苦境に立たされている。中国車の優れたコストパフォーマンスに加え、現地労働者の賃金高騰も、外資メーカーを撤退へと追い込む要因となっている。
各社の動向を見ると、その現状が浮き彫りになる。独フォルクスワーゲンは、傘下の大衆車ブランド、シュコダを中国市場から撤退させる方針を固めた。2006年の進出後、年間30万台以上の販売実績を上げた時期もあったが、近年は失速。安価な中国車のコストパフォーマンスに太刀打ちできず、性能面でも現地ブランドに対する優位性を失ったことが撤退の背景にある。
国内メーカーの動向も注視されている。昨年初めに湖南省の長沙工場の稼働を停止した三菱自動車は、その代表例だ。中国法人も撤退するとの見方が強まっており、もはや市場復帰の兆しは見られない。
また、高級車ブランド「インフィニティ」を展開する日産自動車は、江蘇省の常州工場を閉鎖し、完全撤退を検討していると伝えられている。ホンダも中国合弁会社での人員削減を最終決定し、状況が改善しなければ撤退も辞さない方針であると業界関係者は指摘する。
こうした動きは欧米メーカーでも加速している。仏プジョーや米クライスラー、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、ステランティスなどでも撤退の観測が絶えない。特に米国企業は、米国政府からの圧力もあり、より厳しい立場に置かれている。世界の大手メーカーによる中国撤退は、今や「ニューノーマル(新常態)」になったといっても過言ではない。













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