
米国のドナルド・トランプ大統領が、対イラン戦争への支援に加わらなかった欧州への圧力を一段と強めた。駐留米軍の削減に続いて関税引き上げにも踏み切り、「同盟国との戦い」を本格化させた格好だ。トランプ大統領は、ホルムズ海峡への艦艇派遣要請に応じなかった韓国にも不満をにじませており、報復の対象がさらに広がるのではないかとの懸念も出ている。
トランプ大統領は現地時間1日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、欧州連合(EU)が貿易合意を守っていないとして、来週から米国に輸入されるEU製の乗用車とトラックに25%の関税を課すと明らかにした。米国は昨年7月にEUと結んだ貿易協定に基づき、自動車に対する品目別関税を25%から15%へ引き下げていたが、今回の措置でそれを元に戻す形となる。
米連邦最高裁は今年2月、トランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて各国に課した相互関税を違法と判断した。一方、通商拡大法232条に基づく品目別関税は、なお有効とされている。トランプ大統領は、日本や韓国、カナダは米国内に工場を建設しているのに対し、EUは合意を履行していないと主張し、関税引き上げの理由を説明した。
今回の措置は、トランプ大統領が先月29日に駐独米軍の削減方針を示唆してから、わずか2日後に打ち出された。
表向きには貿易合意の不履行が理由とされているが、欧州の主要同盟国が今回の戦争に協力しなかったことへの報復措置だとの見方が強い。とりわけ今回の関税引き上げによって、欧州最大の自動車生産国であるドイツは150億ユーロ(約2兆7,640億円)の損失を被るとの試算もある。
突然の関税引き上げに対し、EUは強く反発している。欧州委員会は、予測可能で相互利益にかなう欧米関係を引き続き支持するとしつつ、米国が共同声明に反する措置を取るのであれば、EUの利益を守るためあらゆる選択肢を残すと表明し、対抗措置も辞さない構えを示した。欧州議会のベルント・ランゲ国際貿易委員長も「X」で、今回の関税引き上げは同盟国に対する信頼の欠如を明確に示すものだと批判し、EUは今こそ明確さと断固たる姿勢を示すべきだと訴えた。
駐独米軍の削減を巡っては、規模と時期の決定が一気に進んでいる。
米国防総省はこの日、米国のピート・ヘグセス国防長官の指示により、ドイツに駐留する米軍5,000人を6〜12か月以内に撤収させると明らかにした。米国はドイツに3万6,400人の兵力を駐留させており、今回示された規模どおりに撤収が実施されれば、約14%の削減になる計算だ。トランプ大統領は同日の記者団とのやり取りでも、5,000人を超えてさらに削減する考えを示した。
中東戦争が終わらないうちに始まった「同盟国との戦い」には、共和党内からも批判が上がっている。米上院軍事委員長のロジャー・ウィッカー議員と、米下院軍事委員長のマイク・ロジャース議員は共同声明で、米軍撤収はロシアのウラジーミル・プーチン大統領に誤ったシグナルを送るおそれがあると指摘した。
トランプ大統領による同盟国向けの報復措置は、今後ほかの国にも段階的に広がる可能性がある。すでにトランプ大統領は、日本や韓国も米国を助けなかったと不満をあらわにし、在外米軍の規模にまで言及していたため、関係国では警戒が強まっている。トランプ大統領はドイツに続き、イタリアとスペインについても駐留米軍削減の可能性を示唆している。
















コメント0