トランプ氏、米選挙の“番人”を一掃?…中間選挙前に走った衝撃
超党派機関が事実上まひ止…「大統領の権限」か「選挙介入」か

ドナルド・トランプ米大統領が2026年の中間選挙を前に、米国の選挙行政を支援する独立機関「米国選挙支援委員会(EAC)」の民主党推薦委員2人を解任し、政治的な波紋が広がっている。民主党は「選挙システムの掌握を狙った動きだ」と強く反発している一方、ホワイトハウスは「大統領の正当な権限行使だ」と反論している。
10日(現地時間)、ロイター通信によると、トランプ大統領は米国選挙支援委員会(EAC)の民主党推薦委員であるトーマス・ヒックス氏とベンジャミン・ホブランド氏を解任した。解任はホワイトハウス人事局名義のメールで通知された。同日には共和党推薦委員のクリスティ・マコーミック氏が辞任し、別の共和党推薦委員だったドナルド・パーマー氏も4月に退任していたことから、現在、委員会は委員不在の状態となっている。
EACは、2002年の米大統領選で生じた開票混乱を受けて制定された「2002年投票支援法(HAVA)」に基づき設立された独立連邦機関だ。州政府や地方選挙管理機関を支援し、投票機器の認証、選挙セキュリティー関連助成金の執行、全国共通の有権者登録申請書の管理などを担っている。選挙そのものを直接管理する機関ではないが、米国の選挙インフラを支える中核的な機関と位置付けられている。
今回の措置は、米連邦最高裁が最近、大統領による独立機関幹部の解任権限を広く認める判断を示したことを受けて行われた。ホワイトハウスは、大統領には米国の選挙を安全に運営し、適法な票のみを集計するという方針に沿わない人事を変更する権限があるとしている。
民主党は、中間選挙を前に超党派の機関を事実上機能停止に追い込んだとして強く批判した。民主党のマーク・ウォーナー上院議員は「独立した選挙監視体制を政治的に揺るがす極めて憂慮すべき措置だ」と指摘し、チャック・シューマー上院院内総務も「連邦選挙制度を掌握しようとする危険な試みだ」と非難した。
トランプ大統領は今年に入り、市民権証明の義務化など連邦レベルでの選挙制度改革を推進してきたが、一部の措置は連邦裁判所によって差し止められた。今回の人事も、2026年中間選挙を前に選挙行政への連邦政府の影響力拡大を図る一連の動きの一環との見方も出ている。
ただし、EACの委員は大統領だけで任命できるものではなく、上院の承認が必要となる。また法律では民主・共和両党の均衡が保たれるよう構成することが定められており、委員会が通常の体制を回復するまでには相当の時間を要するとみられている。

















コメント0