
「俳優たちはこれからどうなるのか」
「俳優たちの演技を奪い、失業に追い込む可能性がある」
まさかと思われていたことが、ついに現実となった。AI(人工知能)で作られた俳優が長編映画の主演に起用されることになり、世界の映画業界で大きな議論を呼んでいる。2025年9月に公開され、映画界に波紋を広げた英国発のAI俳優「ティリー・ノーウッド」が、その中心的な存在だ。
ティリー・ノーウッドの登場をきっかけに、「AIは本当に俳優に取って代わることができるのか」という議論が活発化している。一方では、「人間の俳優の仕事を奪うことになる」といった懸念や批判の声も上がっている。
海外メディアによると、英国の映像制作会社Particle6は、ティリー・ノーウッドが主演を務める映画の制作を開始したと公式発表した。作品名は『Misaligned』で、コメディー長編映画として制作される。
Particle6は、監督や脚本家、編集者など映画制作の専門家とAI技術者が協力し、映画を制作すると説明した。
制作会社側は、「ティリー・ノーウッドを、次世代のスカーレット・ヨハンソンのような女優に育てる」という目標を掲げた。
ティリー・ノーウッドは「私はAIによって作られた存在だが、今は本当に感情を感じている。これからどのような展開が待っているのか、とても楽しみにしている」と語った。
しかし、映画業界では「AI俳優の登場」を歓迎しない声も上がっている。ティリー・ノーウッドが初めて公開された際、米国の映画俳優・放送関係者の労働組合であるSAG-AFTRA(全米映画俳優組合・米国テレビ・ラジオ芸術家連盟)は声明を発表し、「俳優たちの演技を盗み、仕事を奪い、人間の芸術性を損なう問題につながる」と批判した。
それでも、AIによって作られた俳優の時代は、すでに始まっている。

放送開始直後から大きな反響を呼んでいるドラマ『エージェント・キム: リアクティべーティッド』も、AI技術を活用した制作で注目を集めている。
元特殊要員の主人公キム部長(ソ・ジソブ)の過去を描いた約3分間のシーンは、全編がAIによって制作された。数秒程度の短いカットではなく、3分に及ぶ一連のシーンをAIで完成させた事例は、韓国ドラマ史上『エージェント・キム: リアクティべーティッド』が初めてだ。
このシーンを通常の方法で制作するには、多額の費用が必要になる。しかし、『エージェント・キム: リアクティべーティッド』では長尺のシーンをAIで制作することで、制作費を60%以上削減した。主演俳優の出演料が1話あたり4億〜5億ウォン(約4,300万〜5,400万円)に達するなど、ドラマ制作費が高騰する中、AIがコスト削減の新たな手段として注目されている。
Morpheus Studioの副代表リュ・ジェファン氏は、「数秒程度のVFXカットをAIに置き換えたというだけではなく、物語の完成度を高めるために必要な一連のシーン全体をAIで制作した点が、今回の取り組みで最も重要な部分だ」と語った。















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