
停戦に向けた覚書(MOU)締結後、沈静化していた米国とイランの武力対立が再燃した。ドナルド・トランプ米大統領は「停戦合意は終わった」とまで言及し、交渉の破綻を防ぐためカタールやパキスタンなどが水面下で仲介に乗り出した。
「実務チームの次回交渉日を設定するため努力中」

イラン国営IRNA通信は9日の夕方、南部ブシェール原子力発電所周辺が米国・イスラエルの攻撃を受けたと報じた。同メディアは、イラン南東部にあるシスタン・バルチェスタン州コナラクの海軍基地も戦闘機の攻撃を受けたと伝えた。米国は7日にもイラン南部沿岸の防空網とイスラム革命防衛隊(IRGC)所属の小型船舶など80以上の目標を攻撃した。
イランも中東の米軍基地を狙った大規模な報復攻撃を続けた。イランはクウェート・バーレーン・カタールなど湾岸地域の米軍基地を攻撃した後、ヨルダンの米軍基地を狙って10発の弾道ミサイルを発射し、報復攻撃の範囲を拡大した。
ただし、仲介国は米国とイランの双方が拡大を避けることを望んでいるため、交渉は継続されると期待している。10日(現地時間)、アクシオスは情報筋2人の話として、カタールとパキスタン・トルコ・エジプト・サウジアラビアなど仲介国の当局者が8日、米国とイランの当局者と数回電話したと報じた。仲介に関与している情報筋は「まず双方が緊張緩和に合意した後、技術実務チーム間の次回交渉日を設定するため広範な外交努力が展開されている」と伝えた。
仲介国は今回の対立直前まで、米国とイランが核交渉で進展を遂げたと評価していた。ある情報筋は今回の対立の発端となったイランのホルムズ海峡での商船攻撃について「MOU締結に反対し、これを無力化しようとするイラン政権内部の反対勢力が主導したと判断している」と伝えた。
米国も2日連続でイラン空爆を命じたが、イランとの全面戦争を望んでいない。トランプ大統領は9日午後、国家安全保障チームの会議を開き、イランとの緊張状況および今後の対応方針を議論したとされる。米国当局者は「トランプ政権が核交渉のための解決策を見出すことに専念している」とし、「技術レベルの会談は続いている」と述べた。
6日間の葬儀終了…反米感情が極大化したイラン
イラン前最高指導者の故アリ・ハメネイ師の葬儀が終了したことも再交渉の可能性を高めている。双方はハメネイ師の葬儀期間中、交渉を一時中断し、葬儀後に再開することで合意していた。AFP通信などの外信によると、イランは9日、北東部マシュハドのイマーム・レザー廟で埋葬式を行い、アリ・ハメネイ師の遺体を安置し、6日間の葬儀を終えた。一方、ハメネイ師の息子でイランの最高指導者であるモジタバ・ハメネイ師はこの日、埋葬式まで姿を見せなかった。
一方、米国との戦闘終結のMOUに先月署名したイランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、テヘランで行われた葬儀行進中に群衆から激しい野次を浴び、暴言を吐かれたとされる。黒い喪服を着たこれらの追悼者は「血の報復」を象徴する赤い旗を振りながら、ドナルド・トランプ米大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対する敵意を爆発させた。
米国-イランの武力対立の隙を突くネタニヤフ首相

米国とイランが再び武力対立を繰り広げる中、イスラエルがこの隙を突こうとする動きも見られる。イスラエル首相官邸はベンヤミン・ネタニヤフ首相とドナルド・トランプ大統領が9日、電話会談を行い、中東地域全体で両国間の連携を続けることで合意したと発表した。
特にイスラエルはイランのトランプ大統領暗殺計画の情報を米側に伝えたとされる。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は9日、イスラエルがトランプ大統領に対するイランの暗殺情報を入手し、米側に伝えたと報じた。トランプ大統領は8日、トルコ・アンカラで開催されたNATO首脳会議で記者団に対し「イランは米国の指導者、つまり私を排除しようとしている」と述べ、「今朝も見たが、イランのすべての(暗殺)名簿に私の名前があった」と語った。
トランプ大統領はその後、帰国の途に就き、旧型エアフォースワンに搭乗した後、英国ミルデンホール空軍基地で新型エアフォースワンに乗り換え、ホワイトハウスに向かった。これについて、トランプ大統領が暗殺の脅威などの安全上の懸念から途中で飛行機を乗り換えたのではないかとの見方も出ている。
イランの暗殺計画情報は今後の米・イラン関係にも少なからぬ波紋を呼ぶと見られる。WSJは、米国とイランの終戦交渉が危うい状況の中で、今回の暗殺情報が両国の対立をさらに深める可能性があると指摘した。

















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