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ネタニヤフがひざまずいた広告? 核施設を攻撃されたイラン、愛国心で反撃…異例の“民族主義シフト”へ

梶原圭介 アクセス  

引用:Newsis
引用:Newsis

イスラエルと米国による攻撃で甚大な被害を受けたイランのイスラム政権が、異例にも古代ペルシャの歴史を引用し、民族主義を強調していると、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が22日(現地時間)に報じた。

イラン指導部は、12日間に及ぶ戦闘で被った深刻な被害を、愛国心を前面に掲げて覆い隠そうとしているとした。

その一環で、神権政治が軽視してきた古代の伝説や愛国の象徴を積極的に取り入れた。古代都市シーラーズには、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が3世紀のペルシャ王シャープール1世の像の前でひざまずく場面を描いた広告板を設置した。図像は古代都市ペルセポリスを模した構図だった。

首都テヘランの商業中心地バナク広場には、神話上の英雄アーラシュ・カマンギール(弓手)を描いた広告板が掲示された。アーラシュは、自らの命を矢に込めて放ち、イランの国境を定めたとされる伝説の人物であり、その矢の隣にはイスラム共和国のミサイルが描かれていた。

政府主導の愛国心喚起が効果を上げているかを測るのは難しく、愛国感情の高まりがイスラム体制への支持につながるとは限らないとの見方も出ている。

イスラエルの攻撃以前、イランでは今夏に混乱が発生するとの予測があった。長引く経済危機の中、気温上昇により干ばつや水不足、電力・燃料の供給不安が深刻化するとみられていた。

しかし、戦争の勃発で「夏の危機」説は後退した。多くの国民は、インターネット接続の制限など政府の統制強化を受け入れる傾向を示した。政府は大規模なスパイ摘発を名目に、反体制派や少数民族への弾圧を強めた。

トランプ大統領とベンヤミン・ネタニヤフ首相は攻撃終了後、イラン国民に政府への反抗を呼びかけた。これにより、政府批判層でさえ抗議行動を控える状況が生じた。

テヘランの住民の一人は、「イラン内部の変革を外国主導にすることを望む者はいない。彼らは我々に侵攻し、核施設を攻撃して民族の誇りを傷つけた。私は核計画を支持しないが、それも国家の一部に含まれる」と述べた。

イスラム政権は過去にも民族主義を掲げ、外圧に対抗してきた。1980年代のイラン・イラク戦争期にも、指導部は民族主義的な発言を繰り返した。

現在の動きは、当時を大きく上回る規模に達した。戦争は国家的連帯を促す手段となった。

愛国心喚起の取り組みは、先月末に始まったシーア派の伝統的な哀悼期間ムハッラムの中で一層顕著になった。ムハッラムの第10日にあたるアシュラは、イスラム預言者ムハンマドの孫イマーム・フセインの殉教を追悼する日とされている。

宗教歌手マダフらは、アシュラの追悼行事に政治的要素を織り交ぜ、聖歌の合間に愛国心を訴える歌詞を盛り込んだ。

テヘラン大学のボルハニ教授は、神権政治が民族主義を強調する背景には、もはや宗教だけでは国民、特に若年層を結束させられない現実があると指摘した。

一方、こうした民族主義の強調は最終的に失敗に終わる可能性があるとの見方も出ている。英国セント・アンドリュース大学イラン研究所のアリ・アンサリ所長は、「熱狂が収まれば、人々は再び疑念に直面する。水、ガス、電力の不足という現実は変わらない」と述べた。

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