
アメリカが引き起こしたイラン戦争により世界経済が揺らぐ中、当事国のアメリカはほとんど経済的打撃を受けていないとニューヨーク・タイムズ(NYT)が27日に報じた。2か月目に入った戦争の影響で世界各地でスタグフレーション(景気後退下での物価上昇)の警鐘が鳴る一方、アメリカ経済だけは堅調な成長と低失業率を維持している。
現在、戦争の波及効果はアジアとヨーロッパの実体経済を直撃している。インドとバングラデシュの繊維工場は倒産の危機に瀕し、ヨーロッパでは航空燃料価格が2倍に急騰し、ドイツの航空会社ルフトハンザが今夏2万便の運航をキャンセルした。世界の主要20航空会社全てが運航を縮小している。韓国をはじめ、ベトナム、タイなどアジア諸国は急騰する油価に耐えられず、配給制まで検討するほどエネルギー供給に直撃を受けている。
特に低所得国と一般市民の苦痛が極限に達している。国際通貨基金(IMF)が「食料不安が急速に迫っている」と警告する中、アジア太平洋地域の数百万人が貧困層に転落する危機に瀕している。
グローバルサプライチェーンにも影響が及んでいる。世界の石油とガスの重要な物流路であるホルムズ海峡が機能停止し、ナフサ、アルミニウム、ヘリウムなどの重要原材料はもちろん、マイクロチップや避妊具など日用消費財まで連鎖的な品薄状態を引き起こしている。2兆ドル(約319兆2,200億円)以上の巨額の政府系ファンドを運用する富裕国アラブ首長国連邦(UAE)さえ、ガス田の破壊と物流中断の影響に耐えられず、アメリカに金融支援を要請するほど事態は深刻だ。
一方、戦争の当事国である米国本土の経済指標は比較的安定している。開戦以来、既存価格の約30%に当たる1ガロン当たり1ドル(約160円)以上上昇したガソリン価格が低所得層に負担をかけ、ウォール街の銀行がインフレ予測を上方修正したが、他国が経験する混乱に比べれば微々たるものだ。経済学者らは国際原油価格が1バレル当たり150ドル(約2万3,900円)まで急騰しない限り、アメリカ国内の景気後退懸念が本格化することはないとみている。
アメリカが相対的に優位な状況にある背景には、強力なエネルギー自給率がある。世界最大級の石油とガスなど化石燃料生産国であるアメリカは、自国の消費量を大きく上回る生産量を誇り、グローバルエネルギーショックを自力で防ぐことができる。さらにエネルギー消費が膨大な製造業よりもサービス業中心の経済構造を持つため、高油価の打撃を回避している。
しかし、アメリカの優位な構図が今後も続くかは定かではない。ピーターソン国際経済研究所(PIIE)のアダム・ポーゼン所長は「今アメリカがあまり苦しんでいないからといって、これを過大評価してはならない」とし、自国優先主義に基づいて一方的に戦争を引き起こし、同盟国に巨額の経済的打撃を負わせたドナルド・トランプ政権の行動が、最終的にアメリカのグローバル覇権と外交的信頼に致命的な打撃を与えると警告した。














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