中露に接近するイラン「米国を打ち負かした経験を上海協力機構と共有する」

米国との終戦条件をめぐり駆け引きを続けるイランが、中国・ロシアに積極的に接近し、生存基盤の強化を図っている。
イランのタスニム通信によると、イラン国防省のレザ・タライニク報道官は28日(現地時間)、キルギスで開かれた上海協力機構(SCO)国防相会議に出席したとのことだ。
SCOは中国とロシアが主導する政治・経済・安全保障の協議体で、両国が2001年に中央アジア4カ国とともに設立した。その後、インド、パキスタン、イラン、ベラルーシが加わり、現在は10カ国体制となっている。
ドナルド・トランプ政権が関税戦争やベネズエラ・イランへの攻撃など、米国第一主義の路線を強める中、中国とロシアが米国の覇権をけん制するため、SCOを実質的な安全保障協力体へと育てているとの見方が出ている。
タライニク報道官は、「多くの人々が米国とシオニスト政権(ベンヤミン・ネタニヤフ率いるイスラエル政府)を国家テロリズムの象徴と見なしている」と述べ、「イランはSCO加盟国と防衛能力を共有する準備ができている」と語った。
さらに、「イランが米国を相手に勝利を収めた経験を、SCO加盟国と共有する用意がある」と強調した。今後も続く米国との対立を、SCO全体の安全保障問題へと結び付けようとする狙いがあるとみられる。
SCO各国は、米国に言及した今回の発言について直接的な立場表明は避けたものの、加盟国間の軍事協力強化を強調することでイランを後押しした。
ロシアのアンドレイ・ベロウソフ国防相は、「加盟国が脅威を適時に見極め、共同で対応することで軍事協力を強化し、共同作戦や訓練を通じて軍事安全保障を共に確保することに注力すべきだ」と述べた。
インドのラージナート・シン国防相は、「SCOは世界人口の相当部分を代表している以上、世界の平和と安定を守る責任がある」としたうえで、「課題に効果的に対処できるよう、深く省察すべき時だ」と語った。
SCOは24日、モスクワで開かれた外務次官級会合でも、米国とイスラエルによるイラン攻撃の停止を求め、イランへの支持を示していた。
ロシア外務省は、「出席者らは、米国とイスラエルがSCO加盟国であるイランに対して取った攻撃的行為により、世界的な緊張が急激に高まっていることに深刻な懸念を表明した」とし、早期の終戦を呼びかけたと明らかにした。
各国はまた、「代表性があり、民主的で公正な多極的世界秩序」と、その実現に向けた国連の役割を強調した。「多極的世界」や「国連による調整」は、中国とロシアがトランプ政権の一方的な行動を批判する際に用いる表現だ。
28日、パキスタン側によると、イランは「数日以内」に終戦条件の修正案を米国側に提示する見通しとされている。米国がホルムズ海峡通行料を前提とした終戦案を一蹴しただけに、イランが立場を修正するか注目が集まっている。
ただ、ロシアと中国による水面下の支援を踏まえると、イランが従来の原則的立場を堅持する可能性もあるとの見方が出ている。
イランのアッバス・アラグチ外相は、2回目の交渉が決裂した後、ロシアのサンクトペテルブルクを訪れ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談した。ロシアは、イランによるホルムズ海峡の統制は正当な権利だとの立場を示している。
















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