AIからエネルギー・防衛まで…アジアで「産業スーパーサイクル」到来か

人工知能(AI)ブームを超え、アジアではエネルギーや防衛産業を含む幅広い分野で構造的な成長が本格化しているとの分析が出ている。
17日(現地時間)、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、モルガン・スタンレーのアジア担当チーフエコノミストによる寄稿「アジア、産業スーパーサイクルへ」を通じ、「アジアは持続的な資本支出拡大を背景に、産業スーパーサイクルに突入しつつある」と分析した。
また、AI成長が主要な原動力である一方、再生可能エネルギーへの移行やエネルギー安全保障投資の拡大、防衛関連支出の増加なども産業全般の成長をけん引すると指摘した。アジアの設備投資規模は、現在の11兆ドル(約1,749兆4,800億円)から、2030年には年間16兆ドル(約2,544兆7,500億円)規模まで拡大する見通しだ。
すでに資本支出サイクルの主要指標とされる資本財輸入は、2017~2018年のピークを上回った。今年2月のアジア購買担当者景気指数(PMI)も、4年半ぶりの高水準を記録した。
非IT分野の輸出も昨年第3四半期以降、回復基調を示している。4月から5月初めにかけての輸出データも堅調な流れを維持しており、力強い産業景気サイクルが原油高によるエネルギーショックを吸収しているとの見方が出ている。
特にAI分野では、アジア企業が米国に追いつくため投資を加速させると予想されている。アジアの半導体メーカーは世界のサプライチェーンの中核を担っており、急増する需要に対応するため設備投資を大幅に拡大している。
再生可能エネルギーへの転換やエネルギー安全保障への投資も急速に拡大している。AIの普及によって電力需要が急増しているうえ、イラン戦争など地政学的緊張の高まりで、エネルギー安全保障の重要性が増しているためだ。
防衛分野でも投資拡大の流れが続いている。中国の国防予算の伸び率はGDP成長率を上回る見通しで、日本・韓国・台湾は国防費をGDP比約3%水準まで引き上げる計画だ。
FTは、「これら3分野での支出拡大はサプライチェーン全体に波及効果をもたらし、より幅広い産業景気サイクルへとつながる」と分析した。成長を支える機械・資本財分野への投資も同時に拡大するとの見方だ。
また、設備投資の拡大は雇用創出や賃金上昇を通じて消費拡大につながり、それがさらに景気拡大と追加投資を呼び込む好循環を生み出す可能性がある。
FTによると、こうした恩恵を最も大きく受けるのは日本・韓国・台湾・中国と分析されている。これらの国はGDPに占める産業部門の割合が高く、AI・エネルギー・防衛・資本財関連の輸出比率も大きいためだ。
またインドは、緩和的な財政・金融政策による国内投資拡大を背景に成長が期待されている。さらに、オーストラリアやインドネシアも代表的な資源輸出国として、資源価格指数が4年ぶりの高水準を記録する中、恩恵を受けると見込まれている。















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