
国際通貨基金(IMF)と世界銀行が、米国・イスラエルとイランの紛争激化を受け、世界経済の成長率見通しを引き下げ、逆にインフレ率の見通しを大幅に引き上げる方針を固めた。ロイター通信が12日に報じた。
両機関は、13日から開幕する春季会合(Spring Meetings)において最新の「世界経済見通し(WEO)」を公表する予定だ。
世界銀行は、新興国および途上国の経済成長率について、昨年10月時点の予測(4.0%)から、今年は3.65%へ下方修正するとみている。紛争が長期化した場合には、2.6%まで鈍化する恐れがあるという。アジェイ・バンガ総裁は、基本シナリオでも成長率が0.3~0.4ポイント減速し、最悪のケースでは1.0ポイント分が失われる可能性があると述べている。
一方、インフレ圧力は一段と強まる見通しだ。当初3.0%とされていた世界の物価上昇率推計は、今年4.9%へ引き上げられ、状況次第では6.7%に達する懸念が出ている。
IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、中東情勢の緊迫化以前は予測を上方修正する検討に入っていたことを明かしていたが、9日にワシントンで行われたブリーフィングでは、「成長が想定を下回るのは避けられない」との認識を示した。
さらにIMFは、紛争による肥料輸送の混乱が続けば、世界で新たに約4,500万人が深刻な食料不安に陥る可能性があると警告している。
支援策についても具体的な規模が提示された。IMFは低所得国やエネルギー輸入国向けに、200億~500億ドル(約3.2兆~8兆円)の緊急支援需要があると試算。世界銀行も短期的には250億ドル(約4兆円)、必要に応じて6か月以内に最大700億ドル(約11.2兆円)を動員する準備があるとしている。
しかし、こうした大規模支援の副作用を危惧する声も上がっている。ロックフェラー財団のエリック・ペロフスキー副総裁は、低所得国の債務サービス負担が2025年時点でパンデミック前の2倍に膨れ上がっていると指摘。「対象国の半数が債務危機に直面しており、広範な支援がかえって債務・成長・投資の負のスパイラルを招きかねない」と、インフレ加速への警鐘を鳴らした。













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