
今月3日、米国の軍事作戦によって拘束されたベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、2023年9月に中国を国賓として訪問し、両国関係を「全天候型戦略的パートナー関係」へと格上げした。これは、中国外交において政治・安全保障・経済全般を網羅する最上位レベルのパートナーシップである。中国がこのような関係を結んでいる国は、ベネズエラを含め、パキスタン(2015年)、ベラルーシ(2022年)、エチオピア(2024年)、ウズベキスタン(2024年)、ハンガリー(2024年)の計6カ国にとどまっている。
ベネズエラは、中国が中南米地域で「一帯一路(陸と海のシルクロード)」を拡大するうえでの拠点とされており、エネルギー、インフラ、金融などの分野で600件を超える二国間協定を中国と締結している。マドゥロ政権下では、米国の制裁を回避して生産された原油の約80%(昨年11月時点)が中国に輸出されてきた。中国はベネズエラに600億ドル(約9兆3,000億円)の融資を提供し、その見返りとして原油を低価格で供給される仕組みを構築している。ベネズエラは2020年までの10年間で約4億9,500万ドル(約155億円)規模の中国製武器を購入するなど、中国はロシアに次ぐベネズエラ第2位の武器供給国であった。
こうした背景から、今回の米国によるマドゥロ氏排除作戦は、中南米でベネズエラを足掛かりに影響力を拡大してきた中国に対する直接的な警告であるとの分析が出ている。特に、2日夜にマドゥロ氏が習近平主席の特使であるチウ・シャオチー・ラテンアメリカ・カリブ海担当特別代表と会談し、両国の結束を再確認した直後、翌日に米国が作戦を実行した点についても、意図的であるとの見方が示されている。
外交筋は「トランプ大統領は中国の力を認め、全面的な対立は避ける傾向にあるが、少なくとも自らの『裏庭』に手を伸ばす行為は容認しないという意思を示したものだ」と言及した。
中国は連日、マドゥロ政権を支持するメッセージを発信している。「中国外務省」のリン・ジアン報道官は5日の記者会見で、「ベネズエラの政局がどのように変化しようとも、中国が各分野でベネズエラとの実質的な協力を深化させる意志に変わりはない」と言明した。中国外務省は4日にも、「米国はマドゥロ氏夫妻の身の安全を確保し、直ちに釈放すべきだ」との立場を表明している。
北京の外交関係者は「米中関係が台湾をめぐる米中対立や、米国による対台湾大規模武器売却承認などで緊迫する中、今回の事態を契機に緊張が一段と高まるだろう」と指摘している。














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