
ロシアとウクライナは、戦時の深刻な人手不足を補うため、グローバルサウス(新興・発展途上国)からの外国人労働者の誘致に積極的に乗り出している。兵力動員に伴う労働力の空白が深刻化する中、インド、ネパール、バングラデシュなど南アジア諸国出身の労働者を巡る両国の争奪戦が激化していると、日本経済新聞(日経)が23日付で報じた。
日経によると、ロシア内務省が昨年、ビザが必要な外国人に対して発給した就労許可は24万件に上った。これはウクライナ全面侵攻前の2021年と比べて2.5倍に急増した数字だ。このうち、インド向けの発給件数は5万6,000件で中国に次いで2番目に多く、2021年比で10倍に増加している。
また、バングラデシュ(2021年比400倍)やスリランカ(同6.9倍)を対象とした発給件数も増加傾向が顕著だ。ロシアは昨年12月、インドと短期就労手続きの簡素化協定を締結し、年間7万人以上のインド人労働者を受け入れる計画を立てている。
インドの人材派遣業者のウェブサイトには、自動車整備士、IT技術者、農業従事者などロシア企業の求人広告が並ぶ。インドの派遣業者アンベ・インターナショナルは昨年からロシアへの人材紹介を開始した。同社の関係者は「若い人材が豊富なインドの労働者は適応力が高く、コスト効率が良いという認識がロシア企業の間で広がっている」と語っている。
ロシア北西部のサンクトペテルブルクでは、インド出身の労働者が道路清掃や除雪作業に従事している。宿泊や食事の提供に加え、月給10万ルーブル(約16万5,000円)程度を受け取り、ロシア語教育の支援も受けているという。
ロシアより出遅れたものの、ウクライナも外国人労働者の誘致に拍車をかけている。昨年の外国人就労許可の発給件数は7,000件を超え、前年比で約15%増加した。建設現場などで南アジア出身の労働者への依存度が高まる中、議会では短期滞在および就労許可取得の手続きを簡素化する法案が近く審議される予定だ。人材派遣業者のゴーワークは、インドやネパールの労働者の採用支援事業を開始し、農業分野への派遣も拡大する方針を示している。
背景には、深刻な労働力不足がある。前線への兵士派遣により、ロシアの失業率は2.2%と過去最低水準まで低下した。侵攻前に4%を超えていたのとは対照的だ。ロシア労働社会保障省のアントン・コチャコフ長官は昨年12月、「年間170万人の労働力確保が必要だ」と指摘した。ウクライナも今後10年間で450万人の労働力が不足すると予測されており、特に建設・医療分野では人手不足率が40%に達している。
しかし、懸念の声も根強い。アジアやアフリカなどから職業訓練を口実にロシアに渡り、本人の意図に反して戦場に送られたという被害事例が相次いでいるためだ。インド外務省は昨年12月、ロシア軍において戦闘に従事しているインド人が202人いると確認した。うち26人が死亡し、7人が行方不明の状態だという。ケニア政府も今月、1,000人以上がロシア軍に募集されたと発表しており、労働力確保の名を借りた兵力補充への警戒が強まっている。














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