
米国の外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ(FA)」は17日、「イランとの紛争はなぜ中国の勝利となるのか」と題する専門家による分析記事を掲載した。
トランプ政権下の国家安全保障副補佐官を務めたマット・ポッティンジャー氏はブルームバーグのインタビューで、「イランとの紛争は、イラン、北朝鮮、ロシア、そして中国という各国の連携に対する試練となる」と述べている。また、共和党のリンジー・グラハム上院議員も先月、米メディアのインタビューで石油産出国であるイランやベネズエラへの米軍介入が「中国にとって打撃となる」との見解を示していた。
ホルムズ海峡危機で見せる中国の動向
しかし、紛争の長期化に伴い、情勢は米国の期待とは異なる展開を見せている。中国はホルムズ海峡を通じたエネルギー輸入に依存しているものの、供給の短期的な混乱に対しては備えを固めてきた。
米軍が中東への対応にリソースを割く中、中国は東アジア地域で活動の幅を広げている。また、米国が国際的な対応で苦慮する間、中国は「責任ある平和仲介者」としての立ち位置を強調している。来月の米中首脳会談において、習近平国家主席はこうした背景を背景に、交渉において一定の主導権を持って臨むものとFAは予測する。米国が中東で軍事・政治的リソースを消耗する一方、中国は交渉の場で利益を最大化する戦略を練っているためだ。
米国の安全保障の脆弱性と抑止力への影響
FAは、イランとの紛争がインド太平洋地域における米国の安全保障の枠組みを弱め、中国に戦略的な機会を与えたと指摘する。空母エイブラハム・リンカーンの展開など、中東へ戦力が転用されることで、アジア地域での米軍の持続性に疑問が生じ、結果として北朝鮮や中国に対する抑止力が低下しているとの見方だ。
また、イランとの紛争は中国に対し、米国の戦力配置や意思決定プロセス、AI技術の活用といった軍事的な戦術を直接観察する機会を与えており、これは台湾海峡をはじめとする将来の紛争シナリオに転用される可能性がある。
中国は、サウジアラビアとイランの国交正常化仲介など、紛争における仲介者としての存在感を高めてきた。エネルギー価格の上昇による影響も、再生可能エネルギーの導入拡大や、14億バレルと推定される膨大な石油備蓄によって軽微に留まっている。
FAは、米国に対し「中国が望む形の紛争から脱却し、最大の競争相手である中国に再び焦点を当てるべき時だ」と結論づけている。トランプ政権の政策は短期的利益の誇示に留まり、長期的には中国の技術自立と軍事力強化を許し、米国の衰退を加速させかねないとの強い警告を発している。













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