80年越しの数学難問、AIが解決…OpenAI「エルデシュの『平面単位距離問題』を自ら解決」

ChatGPTの開発企業であるOpenAIは、自社の人工知能(AI)技術を用いて80年間未解決だった数学の難問を解決したと現地時間20日に発表した。
OpenAIは「数学の特定分野で中心的な位置を占める主要な未解決問題が、AIによって自律的に解決された初めての事例だ」と強調した。
ハンガリー出身の著名な数学者ポール・エルデシュ(1913–1996)は、1946年に「平面単位距離問題(planar unit distance problem)」として知られる未解決問題を数学界に提示した。
これは、平面上にn個の点を配置したとき、距離が1(単位距離)となる点の組を最大でいくつ作れるか(ν(n))を問うもので、「離散幾何学(discrete geometry)」分野における重要な未解決問題とされてきた。
例えばn=9の場合、点を一直線に並べると1cm間隔の点の組は8組しか得られないが、別の配置を用いると最大12組を作ることができる。
つまりν(9) = 12となる。
これは9個の点を正方形の単位で3×3の格子(grid)状に配置した場合に相当する。
エルデシュは、正の整数nが十分に大きくなる場合、ν(n)がnの一次関数よりもわずかに速く増加し、各点を正方形単位の格子形状で配置することが最適な解答だろうと推測した。
数式で書くと「nが十分に大きくなるとν(n) ≤ n^(1 + O(1/log log n))が成り立つ」というのがエルデシュがこの問題について立てた推測だった。
後続の数学者たちはこの予想を証明または反証しようと試みてきたが、80年間成功しなかった。
この問題は、エルデシュが生前に提起した問題1,217件の解決状況をデータベースで追跡する「エルデシュ問題」公式サイト(www.erdosproblems.com)においても、トップ10の重要難問の一つに挙げられていた。
しかし今月7日ごろ、OpenAI所属の数学者メタブ・サウニ氏とマーク・セルキー氏が、一般的な論理推論向けに訓練された大規模言語モデル(LLM)に、この予想が正しいかどうかを問いかけたことで状況が一変した。
AIは「ある定数 δ > 0 と無数の n に対して ν(n) ≥ n^(1+δ) が成り立つ」という内容の定理を証明し、エルデシュが立てた推測は誤りであるという結論を出した。
OpenAIは、所属の数学者たちと関連分野を研究した外部の専門家に検証を依頼し、AIが導き出した解法が正しいことを確認した。
さらにOpenAIは人間の数学者にAIが出した解法を整理し説明する作業を任せ、参考文献リストを含めて合計18ページの論文にまとめた後、ホームページで公開した。
この論文には、AIに入力した約20行のプロンプトと、AIが出力した元の形式の解法も掲載されている。

今回の成果は、「数学問題解決専用モデルではなく、汎用推論モデルで達成された」とOpenAIは説明した。
OpenAIはソーシャルメディアXで「ほぼ80年間、数学者たちは最良の解はおおよそ正方形格子状であると信じていた」とし、「OpenAIのモデルはその仮説を反証し、より高性能なまったく新しい構成を発見した」と述べた。
会社側の説明によると、AIは既存の2次元平面格子ではなく高次元の複雑な対称格子を構成し、それを2次元平面に投影して平らな「数値的影」を作り出す方式で限界を突破したとされる。
学界の専門家たちは今回の成果について、数学分野の最高権威の学術誌に掲載され得るレベルだとして称賛している。
フィールズ賞受賞者のケンブリッジ大学ティモシー・ガワーズ教授は「AIが単に未解決の数学問題を解いただけでなく、非常によく知られた未解決の数学問題を解決した極めて明確な初の事例だ」と評価した。
数学界の専門家たちはAIの最大の武器として「疲れを知らない忍耐力」を挙げている。
人間の数学者であれば退屈で成功の保証もなく途中で諦めていたような高次元の構成プロセスを、AIは圧倒的な集中力で最後まで掘り下げて結果を出したという。
「エルデシュ問題」サイトを運営するマンチェスター大学所属で英国王立協会特別研究員のトーマス・ブルーム氏は、「AIが生成した最初の証明は完全に有効だったが、OpenAIの人間研究者や、本論文に参加した多くの数学者たちによって大幅に改善された」と説明した。
さらに彼は「人間は依然としてこの証明を議論し、理解し、改善し、その結果を探求する上で不可欠な役割を果たしている」と強調した。
今回のAI研究結果をもとにした人間の数学者による後続研究も進んでいる。
元々AIの証明には定数δをどの値に取るべきか明示されていなかったが、プリンストン大学のウィル・サウィン教授はδ=0.014とすればよいという点を証明し、こうした研究結果を近く発表する予定だ。













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