
パナソニックホールディングス(HD)は、建物の内部と外部を簡単に歩き回るだけで建物の3Dデータを生成できる革新的なスキャン装置を開発した。
この技術は、従来の方法に比べて作業時間を10分の1以下に短縮し、製品価格を5分の1程度に抑えることができ、深刻な人手不足の中で企業の生産性向上を支援することが期待されている。
パナソニックの3Dスキャナー「@mapper(アットマッパー)」は、高性能センサー「LiDAR(ライダー)」を搭載した棒状のスキャナーと測定情報を表示するタブレット端末がセットになっており、予想価格は1セット当たり200万円前後だ。開発と販売は、パナソニック傘下のパナソニックアドバンストテクノロジーズが担当する。
このスキャナーは、レーザーを発射して壁や天井までの距離を測定し、即座に3Dデータに変換する仕組みで動作する。測定可能な距離は最大60メートルに達する。
5,000平方メートル規模の工場の場合、約1時間ほど歩き回れば完全なデータ化が可能だ。これに対し、従来の測量機器では10〜20メートルごとに移動して測定を繰り返さなければならず、同じ規模の工場で半日程度かかり、機器価格も1,000万円程度と高額だった。
主な需要先としては、工場が予想される。老朽化した工場では、紙の設計図しか残っていない場合が多く、生産設備の配置により実際に利用可能な空間が当初の計画と異なることが頻繁に発生する。3Dデータを用いれば、コンピューター上でレイアウト変更のシミュレーションが可能になり、こうした問題を解決できる。
今後、機能拡張により自律走行搬送ロボット(AMR)への導入にも活用される予定だ。AMRが自分の位置を把握し、走行経路を認識するための3D地図の作成が可能になる。いくつかのAMRは工場内を移動しながら自らデータを収集して地図を作成することができるが、最初から正確な地図を作成し、進入禁止区域を事前に設定すれば、より安全な走行が可能になるとパナソニックは説明している。
また、文化財の保存分野でも活用が期待されている。城郭などの歴史的建物を3Dデータで保存しておくことで、老朽化や自然災害による損傷後の復旧作業が容易になる。
「日本経済新聞」によれば、実際のテストで大阪・関西万博会場に設置された大型屋根リングで3Dスキャナーを試験した結果、全周約2キロメートルの3分の1区間を1時間でデータ化することに成功したという。パナソニックは、3D地図を活用した訪問者案内など観光とエンターテインメント分野にも用途が拡大すると期待を示した。













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