
人形の代わりに、硬くて冷たいステンレスのご飯茶碗を枕にして深い眠りに落ちる犬がいる。
一見すると単なる奇妙な習慣のように見えるが、この行動の裏には見る者の胸を締め付ける悲しい物語が隠されている。
物語の主人公は10歳のジャック・ラッセル・テリアのミックス犬「ネビル」だ。ネビルの飼い主スーザンさんは、保護犬のホームページで偶然彼の写真を見た瞬間、運命的な引き寄せを感じた。
老犬であることと入所の経緯が不明という事実がかえって彼女の心を揺さぶり、3時間以上の待機の末にネビルを家族として迎え入れた。

だが、一生をさまよってきたネビルにとって新しい家はただの見知らぬ場所だった。
初めて家に来たネビルは、他の犬の餌を欲しがったり、床に落ちた食べ物のかけらを慌てて食べたりするなど、極度の食べ物への執着を示した。空腹が日常だった過去の傷がそのまま表れたのだ。
スーザンさんはネビルに「待てば必ずご飯が出てくる」という信念を与えるため、決まった時間に食事をする訓練を始めた。すると驚くべき変化が起こった。
ネビルは自分だけの「専用のご飯茶碗」をこの世で最も大切な宝物として扱い始めたのだ。生涯一度も持ったことのない「自分だけのもの」ができた安心感からだろうか。

彼は今や眠るときでさえご飯茶碗を胸にしっかり抱きしめて枕のようにして深い眠りに入る。
いつの間にかスーザンさんと過ごして2年、今では目もかすみ、耳も遠くなった老犬になったが、ネビルの「ご飯茶碗への愛」と「ママへの愛」は変わらないという。
過去の痛みを乗り越え、温かい腕の中で宝物1号を守りながら眠るネビルの姿は、私たちに家族の意味と保護犬の譲渡の価値を改めて思い起こさせている。













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