
英国の情報・サイバー安全保障機関、政府通信本部(GCHQ)のトップが、中国が情報・サイバー戦能力を急速に強化しているとして英国と同盟国の技術的優位が低下しつつあると警鐘を鳴らした。
26日(現地時間)、英BBCや英紙ガーディアンによると、アン・キーストバトラーGCHQ長官は27日に予定されている初の公開講演を前に公表した演説抜粋の中でこのように指摘した。
キーストバトラー長官は「中国は現在、情報・サイバー・軍事機関全般にわたり高度な能力を備えた科学技術超大国となった」と評価した。
さらに、AIや先端技術の発展に関連して「英国とその同盟国が優位性を維持できる時間的猶予は急速に縮まりつつある」と強調した。続けて「足元の環境は大きく変化している」との認識も示した。
キーストバトラー長官は「英国は根本的な不確実性が増す新たな時代に直面している」と述べ、ロシアや中国によるサイバー攻撃が続く中「誤算のリスクはこれまでになく高まっている」と警告した。
ガーディアン紙は、今回の演説で中国への言及が比較的抑制的な表現だと指摘した。過去1年間に相次いだスパイ疑惑にもかかわらず、これは今年1月のキア・スターマー英首相の訪中以降、中国との安定した通商・経済関係を維持しようとする英国政府の方針を反映している可能性があると分析した。
一方で、キーストバトラー長官はロシアの脅威については強い調子で批判した。
「ロシアは英国の重要インフラや民主的手続き、サプライチェーン、さらには国民の信頼を絶えず標的にしている」とし「重要インフラへの無差別な攻撃が続く中、英国は重大な岐路に立っている」と警告した。
さらに「GCHQは情報・防衛分野のパートナーと連携し、ロシアの脅威を弱体化させ抑え込む努力を続けている」とし「英国がウクライナ支援を堅持する中でウラジーミル・プーチン露大統領は後退を余儀なくされている」と述べた。
キーストバトラー長官はサイバー防衛強化に向けて産業界や学術界、一般市民の協力も呼びかけた。GCHQ傘下の国家サイバー安全保障センター(NCSC)によると、英国を標的とする主要なサイバー攻撃の多くは中国、ロシア、イラン発と分析されているという。
キーストバトラー長官は「取締役会の会議室から各家庭のリビングルームまで、すべての人がサイバー安全保障に責任を持つべきだ」と訴え「家庭では直ちにパスワードをパスキーに変更するなどの対策が必要だ。社会全体でも、新技術へのセキュリティの組み込みやサプライチェーン保護を進め、サイバー安全保障を今よりはるかに優先度の高い課題として扱わなければならない」と強調した。
キーストバトラー長官は27日、第二次世界大戦中にドイツ軍の暗号解読拠点だったブレッチリー・パークで初の公開講演を行い、英国が直面する安全保障上の脅威とその対応策について説明する予定だ。













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