「ついに報復の火蓋が切られた」イラン“反撃開始”、カタール迎撃で湾岸全域が厳戒態勢

イランは、米国による空爆への対抗措置として、中東各地の米国関連施設を標的に報復攻撃に踏み切った。カタールでは自国に向けて発射されたミサイルを迎撃し、アラブ首長国連邦(UAE)もミサイルやドローンによる脅威への対応に追われた。バーレーンでは空襲警報が鳴り響くなど、湾岸地域全体で緊張が高まった。
12日(現地時間)、イラン国営プレスTVは、イラン軍が中東地域にある米国の拠点を対象に一連の攻撃を開始したと報じた。イラン側は、具体的な標的や使用した攻撃手段、被害状況については明らかにしていない。
カタール国防省は「X(旧Twitter)」で、「軍がカタールに向けて発射されたミサイルを迎撃した」と発表した。ただ、ミサイルの発射元については明らかにしていない。
UAE国防省も、ミサイルや無人機による脅威に対応していると発表した。当局は、各地で確認された爆発音について、防空作戦の過程で発生したものだと説明し、住民に安全な場所にとどまり、公式発表に従うよう呼びかけた。
バーレーン内務省は国内全域で警報を発令した。当局は住民に対し、冷静に近くの安全な場所へ移動し、政府の発表を確認するよう求めた。

米、イラン140か所を攻撃…今週の攻撃対象は300か所超に
イランによる反撃は、米軍がホルムズ海峡での商船攻撃を受け、今週3回目となる対イラン空爆を終えた直後に行われた。
米中央軍は11日、イランの軍事関連施設約140か所に対して精密攻撃を実施したと発表した。作戦には、陸上や海上から発進した戦闘機やドローン、海軍艦艇が参加した。
攻撃対象には、イランのミサイル・ドローン関連施設のほか、海軍戦力、弾薬庫、通信網、沿岸監視施設などが含まれた。米中央軍は、今週3日間にわたり夜間作戦を実施し、イラン国内の300か所以上の標的を攻撃したと説明した。商船や民間船員を脅かす能力を低下させたとしている。
イラン南部のバンダレ・アッバースやチャーバハールに加え、沿岸部から約480キロ離れた内陸都市ケルマーンでも爆発が確認された。イラン国営メディアは、ブーシェフルの軍事施設やデイルの軍事関連施設が攻撃を受けたと報じた。
また、カンガンやジャースクでも爆発が発生した。カンガンはイラン最大級のガス田であるサウスパルスに近く、ジャースクには海軍施設や原油輸出関連施設がある。人的被害の有無については、現時点で明らかになっていない。
米軍による今回の空爆は、イスラム革命防衛隊(IRGC)がキプロス船籍のコンテナ船「M/V GFS Galaxy」を攻撃したことへの報復措置だった。米側は、イランがミサイルとドローンを同時に使用し、周辺を航行していた別の船舶も標的にしたと主張している。
米中央軍は、船内で火災が発生し、機関室も損傷したことで同船が航行不能となり、民間船員1人が行方不明になったと発表した。ピート・ヘグセス米国防長官は「イランは誤った選択をした。今、その代償を払うことになる」と警告した。

損傷した船から乗組員が救命ボートで脱出…ホルムズ海峡の航行船舶が急減
英海事機関(UKMTO)は、ホルムズ海峡付近で損傷したコンテナ船の乗組員が、船を放棄して救命ボートで避難したと発表した。同船は船尾部分が損傷した後、火災が発生したとみられている。
UKMTOは、船舶名や攻撃主体については明らかにしていない。このため、米軍が発表した「M/V GFS Galaxy」と同一の船舶かどうかは、現時点で公式には確認されていない。
イスラム革命防衛隊は、承認されていない航路を利用した船舶に警告射撃を行ったとし、ホルムズ海峡を当面閉鎖すると表明した。また、米国による地域への介入が終わるまで、商船や軍艦の通航を認めないとの立場を示した。
米国はこれまで、オマーン沖の航路を利用する商船の航行を支援してきた。一方、イランは、自国の領海を通過する航路のみを利用すべきだと主張しており、通航の主導権を巡って米国との対立が続いている。
衝突の激化に伴い、ホルムズ海峡を通過する船舶も急減した。海運情報会社Kplerによると、同海峡を1日に通過する船舶数は、戦闘前の130隻以上から最近では22隻まで減少した。世界の原油輸送量の約5分の1が通過する要衝で軍事衝突が続いていることから、国際原油価格や金融市場への影響も懸念されている。
米国とイランは先月、60日間の戦闘停止とホルムズ海峡における商船の通航保証を盛り込んだ覚書(MOU)を締結した。しかし、イランによる海峡封鎖や双方による報復攻撃が続く中、停戦合意は事実上崩壊の危機に直面している。
















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