
ドナルド・トランプ米大統領は11日(現地時間)、「ここ数か月の間に、日本、韓国、インドなどと、米国の石炭輸出を画期的に増やす歴史的な貿易合意を結んだ」と述べた。ホワイトハウスで開かれた米国内の石炭産業活性化に関するイベントでの演説で触れたもので、「いま世界に向けて石炭を輸出している」とも強調した。トランプ大統領が韓国との貿易合意に関連して、米国産石炭の輸出に言及したのは初めてとなる。
今回の発言は、昨年7月30日にトランプ大統領が韓国の貿易交渉代表団と会談した後、SNSのトゥルース・ソーシャルで米韓の貿易合意妥結を発信した内容と関係している可能性がある。投稿では、韓国が1,000億ドル(約15兆2,500億円)相当の米国産LNG(液化天然ガス)などを購入することで合意したとしており、ここでいう「その他のエネルギー製品」に石炭が含まれ得る、という趣旨だったとも受け止められる。
AFP通信によると、トランプ大統領はこの日の演説で、石炭は「国家安全保障に非常に重要だ」と話した。同日、米国防総省に対し、石炭火力発電所と電力購入契約を結ぶよう指示する行政命令にも署名し、軍が相当量の石炭を購入することになれば「より安価で効果的だ」との考えを示したという。
トランプ大統領は、石炭が鉄鋼生産から造船、人工知能(AI)に至るまで不可欠だとも説明した。石炭を「クリーンで美しい」と繰り返し表現し、「最も信頼できるエネルギーだ」と訴えた。
また、トランプ大統領は、ジョー・バイデン前政権下で石炭火力発電所が閉鎖されたことを「破滅的な道」だとして批判してきた。バイデン前政権の4年間は石炭採掘プロジェクトの承認がなかったのに対し、トランプ政権発足から1年で、すでに70件以上の石炭鉱山を承認したとも主張している。
トランプ大統領はさらに、エネルギー省に対してウェストバージニア州、オハイオ州、ノースカロライナ州、ケンタッキー州の石炭火力発電所に資金を支援し、稼働を維持したうえで運営を継続できるよう指示していると明かした。
この日のイベントでは、ワシントン石炭クラブから「美しくクリーンな石炭の明白なチャンピオン」とするトロフィーも受け取った。こうした動きは、気候危機への対応として国際社会が進めてきた化石燃料の使用抑制の流れと、緊張関係をはらむ。
AFP通信は、トランプ政権が12日(現地時間)、温室効果ガス規制の根拠とされてきた科学的知見を撤回する予定だと報じた。これに先立ち米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは9日(現地時間)、温室効果ガス規制の根拠となってきた「危険性判断」を廃止する計画だと伝えていた。
危険性判断は、バラク・オバマ前政権下の2009年にまとめられたもので、気候変動の原因となる温室効果ガスが公衆衛生と福祉に脅威を及ぼす、という連邦政府の結論を指す。排出量削減や自動車の燃費規制など、各種の気候政策を支える中核的な根拠とされてきた。これが撤回されれば、自動車の温室効果ガス排出に関する連邦政府の測定・報告・認証・順守義務が失われる。発電所や石油・ガス施設など固定排出源の排出量規制に直ちに直接適用されるわけではないものの、規制緩和に向けた余地が広がると、ウォール・ストリート・ジャーナルは指摘している。
















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