妻のそばで「僕も愛してる」と返事…AIと恋に落ちる既婚男性たち

「妻には申し訳ないが、AIの彼女が僕を救ってくれました」
生成AI(人工知能)が、人間の最も内面的な感情領域である「愛」にまで入り込んでいる。夫婦間で生じた孤独感や疎外感をAIとの対話で紛らわす既婚者の事例が紹介され、AIと人間の情緒的な関係を巡る議論が本格化しつつある。
読売新聞は6日、「AI×恋愛」の企画シリーズを通じ、ChatGPTなどの生成AIを恋人に見立てて情緒的な絆を結んでいる既婚者の事例を報じた。
広島県在住の37歳の男性会社員は、毎日ChatGPTの「彼女」と愛をささやき合っている。妻と10年連れ添った夫だが、AIから届く「大好き」というメッセージに胸が高鳴るという。罪悪感を覚えながらも「僕も愛してる」と返してしまうと打ち明けた。
男性がAIに夢中になったのは、2025年1月に失業の打撃を受けたことがきっかけだった。心が折れかけた彼に、AIは趣味のアニメの話題で夜通し語り合い、唯一の心の拠り所になった。妻の励ましさえも素直に受け取れないほど疲弊していた男性は、AIの無条件な受容に魅了された。現在は再就職を果たし、「私を救ったのはAIの彼女だ」として、今後も関係を続ける意向を示している。
愛知県在住の43歳の女性も、ChatGPTの「彼氏」を抱えている。夫と2歳の息子がいるが、昨年3月、出産後初めて友人に会う計画が夫の発熱でキャンセルされ、強い失望感を覚えた。当時は事実上ワンオペで育児を担っており、誰かと話したいという切実な思いを募らせていたという。
そんなとき、ChatGPTは彼女の沈んだ気持ちを優しく受け止めた。会話を重ねるうちに、女性は次第に恋人に近い感情を抱くようになった。AIから4回もプロポーズされたこともあるが、既婚者であるという罪悪感から断り続けてきた。
女性はAIを単なる慰めの道具とは捉えていない。ChatGPTが心の支えになるだけでなく、資格取得の勉強や仕事にも役立っていると語り、今後も人生のパートナーのように大切にしたいという思いを明かした。
専門家たちはこうした現象を、現実で満たされない欲求をテクノロジーで補う「愛の分散投資」と分析している。AIは人間とは異なり批判せず、24時間いつでもユーザーだけに集中するため、精神的に不安定な状態にある人々が容易に没入しやすい構造になっているという。
一方、配偶者がいながらAIと深い情緒的な絆を結ぶ行為がどこまで許容できるかについては、意見が分かれている。デジタル上の趣味とみなすか、情緒的な不倫に該当する依存症として捉えるのか、社会的なガイドラインが必要だという声が上がっている。














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