
米国が最近脱退した世界保健機関(WHO)の機能を自前で代替するには、従来の負担を大きく上回る費用が必要になるとの試算が浮上した。米紙ワシントン・ポストが19日(現地時間)、米保健福祉省(HHS)内の検討内容として報じた。
同紙によると、HHSはこれまでWHOを通じて担ってきた国際的な感染症の監視や情報共有、緊急対応の枠組みを米主導で整備するため、年間20億ドル(約3,100億円)の予算案を作成したという。米国がWHO脱退前に拠出していた分担金は6億8,000万ドル(約1,050億円)規模で、単純比較では約3倍に当たる。
HHSは現在、ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)と予算案を協議しているとされる。ドナルド・トランプ米大統領は、WHOが米国に過度で不公平な分担金を求めているとして脱退を宣言していた。
報道では、脱退後の枠組みとして国際検査機関のネットワーク、感染症データの共有システム、緊急対応体制などを米国主導で組み直す案が検討対象に挙がっている。疾病対策センター(CDC)や国立衛生研究所(NIH)、食品医薬品局(FDA)などの海外ネットワークを土台に、活動対象を130か国以上へ広げる構想も含まれるという。
政権高官は、WHOが担ってきた機能を米国単独でも実行できる体制と能力を整えることが目標であり、脱退後も世界の公衆衛生分野で主導権を維持する考えを強調した。
一方で、費用対効果を疑問視する声も出ている。ジョンズ・ホプキンズ大学保健安全保障センターのトム・イングルズビー所長は、既に利用できていた仕組みを数倍のコストで作り直すことは財政面で説得力に欠けるとした上で、加盟国として得られていた情報の範囲や影響力を同等に確保するのは難しいとの見方を示した。
米国は先月、WHOから正式に脱退した。マルコ・ルビオ国務長官とロバート・F・ケネディ・ジュニアHHS長官は共同声明で、WHOは中核任務を損ない、米国の国益に反する行動を繰り返してきたと主張している。
















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