将官30人更迭のヘグセス氏、「オバマ政権は197人」と主張…数字の根拠に疑問の声

米国のピート・ヘグセス国防長官は、将官や提督およそ30人を解任、または人事上排除した自身の判断を正当化する過程で、「オバマ政権時には197人が解任された」とする根拠不明の数字を持ち出し、議会で厳しい追及を受けた。
29日、ニューヨーク・タイムズによると、ヘグセス長官はこの日の下院軍事委員会公聴会で、自ら進めた軍首脳部の人事措置は前例のないものではないとの認識を示した。長官は「オバマ政権時にも将官197人が解任された」と述べ、「今回の政権だけに特有の対応ではない」と主張している。
しかし、ニューヨーク・タイムズは、この197人という数字には事実上の裏付けがないと報じた。問題の数字は、2018年にインベスターズ・ビジネス・デイリーが掲載した無署名の社説に由来し、その社説は保守系メディアのブライトバートの「フェイスブック」ページを出所としていたという。
ヘグセス長官は、この数十年でも異例とされる形で高位の軍指揮官を相次いで解任し、または人事から外してきた一方、具体的な理由はほとんど明らかにしていない。議員らはこの日の公聴会で、今月、米国のランディ・ジョージ陸軍参謀総長を退任させた判断などを重点的にただした。
共和党のオースティン・スコット下院議員は、「長官には敬意を払うが、ジョージ将軍の解任には賛成できない」と語った。空軍出身の民主党のクリッシー・フーラハン下院議員も、ジョージ将軍を「愛国者」と呼び、「共和、民主の両党から深く尊敬されてきた人物だ」と評価している。
フーラハン議員が解任理由をただすと、ヘグセス長官は「本人たちへの敬意から、解任理由の性質を公の場で語ることはしない」と答えた。そのうえで、「誤った考え方によって損なわれた組織文化を改めるには、その地位にいた同じ将校たちと一緒には進めにくい」と説明した。
この「197人」という数字は、国防総省が過去にも使おうとして問題になった経緯がある。昨年11月、国防総省報道官のショーン・パーネル氏は、ヘグセス長官による別の解任措置に関してニューヨーク・タイムズへ送った声明で、「オバマ政権時には将官級将校を含む197人が解任された」と主張した。だが、同紙が出所をただすと、国防総省はその一文の削除を求め、その後は197人への言及を外した新たな声明を送り直している。
国防総省は、ヘグセス長官が今回も同じ数字を使ったことについて、ニューヨーク・タイムズの問い合わせに応じなかった。
公聴会では、将官への昇進候補者名簿から一部の将校を外した判断も俎上にに載せられた。陸軍出身の民主党のデレク・トラン下院議員は、ヘグセス長官が陸軍将校4人の准将昇進を阻んだ経緯を追及した。これに対し長官は、米国のダニエル・ドリスコル陸軍長官が4人を名簿から外さなかったため、自ら除外したと明らかにしている。
理由を問われたヘグセス長官は、「われわれはすべての将官級将校を精査している」と述べるにとどめた。高位の軍関係者によると、長官が問題視した4人のうち2人は黒人男性で、残る2人は女性だった。昇進名簿全体は約30人規模で、その大半は白人男性だとされる。
こうした事情から、軍内部の一部高官の間では、4人が人種や性別を理由に標的にされたのではないかとの見方も出ている。上院軍事委員会の民主党筆頭理事を務める米国のジャック・リード上院議員は先月、ヘグセス長官の介入について、軍の昇進は「個人の能力と実証された実績」に基づいて行われるべきだという原則に反すると批判した。
ヘグセス長官は30日、上院軍事委員会にも出席する予定だ。米国のダン・ケイン統合参謀本部議長とともに証言する見通しで、将官の解任や昇進候補からの除外を巡って、さらに追及が強まる可能性がある。
















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