
企業業績が過去最高水準まで改善したことを受け、ウォール街では株式市場の高いバリュエーション(企業価値評価)を支える材料になるとの見方が広がっている。最近の株価急騰についても持続性への投資家の信頼が高まりつつある。
30日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、S&P500採用企業の第1四半期の純利益率は14.8%となり、ファクトセットが関連統計の集計を開始した2009年以降で最高を記録したという。これまでの最高値はわずか1四半期前に記録した13.2%だった。
純利益率は企業が売上1ドル当たりどれだけの純利益を確保したかを示す指標だ。
こうした収益性の改善はテクノロジー企業だけに限らなかった。金融や資本財など幅広い業種でも純利益率が過去5年平均を上回り、投資家の間では地政学リスクやインフレ懸念が続く中でも米企業全体の収益力は着実に強化されているとの見方が広がっている。
ラッファー・テングラー・インベストメンツのナンシー・テングラーCEOは「現在は1990年代と似た生産性重視の環境にあり、生産性向上が産業全体へ広がっている」と指摘し「これはAIだけでなく、様々な新技術による成果だ」と語った。
一方で、最近の成長の大部分は依然としてテクノロジー株が牽制している。ファクトセットによると、テクノロジー業種を除いたS&P500企業の第1四半期の純利益率は12.4%にとどまるという。
AI業界でも明暗は分かれている。半導体メーカーやAIインフラ関連企業は高い収益性を維持している一方、大規模データセンターを整備するハイパースケーラー各社は数千億ドル規模の設備投資負担によって利益率が圧迫されている。
アナリストはS&P500採用企業の第2四半期の純利益率は14.2%になると予想している。これは第1四半期の水準には届かないものの、前年同期(12.9%)や過去5年平均(12.3%)を上回る見通しだ。
ただし、高い利益率が今後も維持されるかは不透明だ。テクノロジー企業の価格決定力やAI需要が弱まれば、企業収益が急速に鈍化する可能性があるためだ。実際、OpenAIはAnthropicとの競争が激化する中、顧客獲得を目的としたサービス価格の引き下げを検討しているとされる。
株式のバリュエーションにも依然として割高感が残る。ファクトセットによると、S&P500の今後12カ月の予想株価収益率(PER)は約20倍で、過去10年平均の19倍を上回っているという。さらに、金融環境の引き締めや高金利が長期化すれば、企業の資金調達コストが増加し、利益率の重荷となる可能性もあるとの見方が出ている。
特に、ケビン・ウォーシュ議長体制でも連邦準備制度(Fed)が物価安定を重視する姿勢を改めて示したことを受け、市場では年末までの利上げの可能性をこれまで以上に織り込む動きが強まっている。














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