
全身の皮膚のかゆみを訴えて救急外来を受診したベルギーの83歳男性が、思いがけず梅毒と診断された。結婚50年の男性は、突然の診断を受けた後、「若い頃に性感染症にかかったことがある」と打ち明けた。しかし、医師らは最近の感染経路が存在する可能性も排除していない。
11日(現地時間)、米科学メディアのライブ・サイエンスによると、男性は昨年、顔の片側の筋肉が突然垂れ下がって麻痺する「片側性末梢性顔面神経麻痺」の症状で病院を受診した。当時は高熱が治まった直後だった。神経科での検査の結果、貧血や脂肪肝、脾臓の腫れも確認されたため、医師らはウイルス感染を疑った。
高用量のステロイド治療を受け、顔面麻痺の症状は消えたものの、本当の問題はその後に始まった。
その後1カ月のうちに膝や足首がこわばって痛みが生じ、脚や足だけでなく、顔や腕、手まで腫れ始めた。全身の倦怠感とともに体重が5kgも増え、水を大量に飲んでも尿の色は濃くなった。腎機能に深刻な問題が生じている兆候だった。
男性の既往歴を調べたところ、20年前に直腸がんと診断され、長期間にわたって治療を受けていたことが分かった。男性は医師らに「がん治療を始めて以来、結婚して50年になる妻とは全く性生活がなかった」と説明した。
数週間にわたって明確な原因が分からないまま病院に通っていた男性は、ある日、全身の皮膚に激しいかゆみが現れ、救急外来を受診した。ふくらはぎには赤い発疹があり、ひどい鱗屑がみられた。
医師らが既往歴についてさらに詳しく尋ねると、男性はようやく隠していた過去を打ち明けた。若い頃、兵役中に複数の相手とコンドームを使用せずに性交渉をしたという。
男性は「当時、数回にわたって性感染症の治療を受けたが、具体的に何の病気だったかは覚えていない」と話した。
血液検査の結果、梅毒を引き起こす細菌「梅毒トレポネーマ」の検査で陽性反応が出て、活動性梅毒への感染が最終的に確認された。梅毒は適切な時期に治療しなければ体内に数十年間潜伏することがあり、ごく一部では再活性化して第3期梅毒に進行する場合もある。
医師らは梅毒トレポネーマの検査結果が陽性だったことから、第2期梅毒と診断した。第2期梅毒は通常、感染後1年以内に発症し、4年以上たってから発症するケースは極めてまれだ。一般的に第1期梅毒では、口や性器に硬く滑らかな潰瘍ができる。この潰瘍が消えた後も治療を受けなければ、数カ月以内に第2期梅毒へ進行する。
医師らは報告書で「この患者には若い頃に複数の性感染症にかかった既往歴があったため、梅毒検査を行った。ただし、当時の感染で現在の症状を説明することは難しい」と明らかにした。
顔面麻痺の治療で投与されたステロイド剤によって免疫力が低下し、潜伏していた梅毒トレポネーマが再活性化した可能性も指摘された。一方で、その場合は第3期の神経梅毒にみられる症状だけが現れるはずだが、男性には発熱や発疹など、第2期梅毒の典型的な症状も現れていた。
結局、男性が正確にいつ、どのように梅毒に感染したのかは謎のままだ。医師らは、患者が明かしていない、あるいは本人も認識していない「最近の感染経路」が存在する可能性も考慮すべきだと付け加えた。
一方、男性は梅毒の治療を受けた後、全ての症状が改善して健康を回復した。保健当局は感染経路の追跡と予防のため、妻にも梅毒検査を受けるよう案内した。















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