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「車が別物になった」OTAで変わる運転感覚、利便性の裏で広がる戸惑い

山田雅彦 アクセス  

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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無線ソフトウェアアップデート(OTA)が自動車産業全般に広がる中、出荷後に車両の機能を変更する事例が増加している。サービスセンターに持ち込まずとも機能を追加し、欠陥を修正できる点は、OTAの代表的な利点として挙げられる。しかし、アップデートの範囲がインフォテインメントにとどまらず、運転支援やバッテリー管理、一部の車両制御領域にまで拡大する中、消費者の間からは「アップデート後に車が変わってしまった」といった反応も出ている。

スマートフォンとは異なり、自動車は減速特性やバッテリー制御、運転支援機能の動作方式の変更が、運転感覚に直結する。OTAの適用範囲が広がるほど、アップデートが車両の挙動に与える影響も大きくなるということだ。

こうした変化は実際の事例でも確認されている。2023年、中国の市場監督当局は、テスラの110万台以上の車両に対し、回生ブレーキ関連の設定と急加速時の警告機能を補完するソフトウェアの更新を命じた。運転者が回生ブレーキを解除できない点や、急加速時の警告機能が不十分である点が問題視されたためだ。また、2018年にはテスラの「モデル3」が、OTAによるファームウェアのアップデートを通じてブレーキ性能を改善した事例もある。米国の消費者団体専門誌「コンシューマー・レポート(CR)」は、初期試験で時速60マイル(約96キロ)での制動距離を152フィート(約46メートル)と測定し「推奨しない」としていたが、アップデート後の再試験では133フィート(約40メートル)に短縮されたことを確認し、評価を覆した。

OTAは利便性を高める一方で、消費者の間には「自分の知っている車とは違うものになってしまうのではないか」という懸念もある。自動車は、運転者が加速時の反応や減速感、ブレーキのタイミングを感覚として習得している。慣れ親しんだ反応が変わることは、不便さを超えて不安につながりかねない。OTAが単なる機能追加にとどまらず、車両の使用全般に影響を及ぼす作業であることから、消費者がより敏感に反応する可能性もある。

一部のユーザーからは、同じシステムを搭載していても特定のアップデートの対象から外されるなど、公平性を巡る不満の声も上がっている。また、アフターサポートの範囲を巡る懸念も示されており、OTAが単なる利便性の向上にとどまらず、ブランドへの信頼を左右する要素となっていることがうかがえる。

完成車メーカーにとっても、OTAの拡大は避けられない潮流だ。ソフトウェア競争が本格化する中、新機能を迅速に追加し、不具合を即座に改善する能力は、商品競争力に直結する。しかし、アップデートの範囲が広がるほど、メーカーにはより高い説明責任が求められることになる。

専門家は「OTAの拡大は逆らえない流れだが、安全性に影響を与える領域にまで適用される場合、より厳格な基準と管理が必要だ」と述べている。さらに、「運転者は長期間にわたり、同じ車両の反応に身体が慣れている。OTAによって運転特性が変われば、違和感や不安が増す可能性がある」とし、「何がどのように変わるのか、消費者に明確に説明する体制が不可欠だ」と指摘している。

OTAは完成車業界における新たな競争力の源泉として浮上した。しかし、適用範囲が拡大するにつれ、消費者に変化を予測可能な形で説明し、信頼を確保することの重要性も高まっている。OTAを巡る競争は今や、単なる機能の追加を超え、メーカーの説明責任が問われる段階へと突入している。

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