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【テスラ神話に陰り】欧州で販売台数が約50%激減…「自動運転頼み」の戦略に限界、失われた信頼は取り戻せるか?

山田雅彦 アクセス  

欧州で販売急落のテスラ

販売台数が約50%減

「自動運転戦略」に起死回生の可能性はあるか

電気自動車(EV)で先行してきたテスラが、欧州市場で深刻な局面を迎えている。欧州自動車工業会(ACEA)の最新データによれば、2024年4月におけるテスラの欧州販売台数は、前年同月比で49%の大幅減となった。一方で同期間の欧州全体のEV市場は27.8%成長しており、テスラはその波に完全に乗り遅れた格好だ。

EU、英国、EFTA諸国を含めた電気自動車の新規登録台数は18万台を突破したが、テスラはシェアを大きく落とした。人工知能(AI)と自動運転技術に注力してきた戦略が、欧州の消費者には響いていないとの批判も出ている。

ブランド力に陰り

長年の失速が表面化

テスラの販売不振は突発的なものではなく、以前からの構造的問題が表面化した形だ。モデル展開の乏しさ、競争激化、そしてブランドイメージの低下が重なり、かつての「EVの代名詞」という地位はすでに揺らいでいる。フォルクスワーゲン、BMW、BYD、ルノーなど、欧州や中国勢が高性能かつ価格競争力のあるEVを次々に投入し、シェアを急速に拡大している。こうした中でテスラは、以前のような圧倒的な存在感を失いつつある。

加えて、CEOイーロン・マスク氏による政治的発言やSNS上での挑発的な言動も、ブランド信頼に傷をつけている。消費者の購入意欲に悪影響を及ぼしているとの見方は少なくない。フラッグシップであるモデルSやモデル3は象徴的な存在であり続けているが、登場から10年近くが経過し、技術面での優位性も色あせてきた。新型モデルYに対しても、デザインや品質に対する期待外れの評価が相次いでおり、市場の反応は冷ややかだ。テスラは生産設備の再編に伴う出荷遅延を原因と説明しているが、生産が再開された後も販売回復には至っていない。

収益悪化と信頼喪失

真に必要なのは「信頼回復」

欧州市場での巻き返しを狙い、テスラは複数回にわたる値下げと新車投入を試みてきたが、むしろ収益性の悪化を招いている。米国では税制優遇の縮小により、車両価格が7,500ドル(約108万円)上昇する可能性も指摘されており、価格競争力にも限界が見え始めている。さらに、テスラが今後の成長の柱として掲げる完全自動運転機能についても、信頼性への疑問が根強い。長年続くベータテストや不完全な走行例により、消費者の不安は払拭されていない。各国の規制当局との摩擦も悪印象を与えており、マイナス要因となっている。

サイバートラックをはじめとする新モデルへの期待も限定的で、今のテスラにとって最も重要なのは、革新的な新製品ではなく、消費者との信頼関係をいかに回復するかだといえる。ブランド再生に向けたカギは、テクノロジーの進化よりも、「選ばれる企業」であり続けられるかどうか。その答えは、これからのテスラの対応に委ねられている。

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