
世界最大の半導体受託生産(ファウンドリー)である台湾積体電路製造(TSMC)が、熊本県で国内初となる3ナノメートル(nm、1nm=10億分の1メートル)半導体の量産に踏み切る計画をまとめ、政府側に伝えたとされる。投資規模は170億ドル(約2兆6,700億円)に上る見通しで、政府は経済安全保障の観点から支援を強める構えだ。
5日付の読売新聞によると、政府関係者は、TSMCが当初、熊本第2工場で6~12ナノ品の生産を想定し、122億ドル(約1兆9,150億円)規模の投資を表明していたが、これを3ナノ級へ引き上げる方向で、経済産業省と協議に入ったと説明した。
TSMCの幹部は同日、首相官邸を訪れ、高市早苗首相に計画を伝える予定だという。
3ナノは、人工知能(AI)向けデータセンター、自動運転、ロボットなど先端分野の中核となるプロセスで、国内には量産拠点がない。量産が実現すれば、供給網の強靱化に向けた象徴的な一歩になるとの見方が出ている。
政府はすでに熊本第2工場に対し、最大7,320億円の補助を決めている。今回の計画変更を、国内の生産能力を底上げする重要な機会と位置づけ、追加支援も検討対象に入れたとされる。
読売は、半導体の供給網をめぐる競争の中で中国勢が市場シェアを伸ばし、10ナノ以下の超微細品の生産が台湾とアメリカに偏っている点を挙げ、補助金などを活用して生産拠点の誘致を進める政府方針の一環だと報じた。
大規模工場の新設は地域経済への波及も見込まれる。新工場が雇用の創出や関連企業の集積につながり、産業クラスター形成を後押しするとの期待が強まっている。














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