
ドナルド・トランプ米大統領が、2003年のイラク侵攻以降で最大規模とされる軍事力を中東に集結させ、イランへの圧力を強める中、両国は26日(現地時間)、スイスのジュネーブで核問題をめぐる協議を行った。
これに先立ち、トランプ大統領は19日、「イランに与えられた時間はせいぜい10~15日だ」と最後通告しており、今回の協議は米国による対イラン攻撃を前に設けられた事実上最後の交渉の機会とみられている。さらにトランプ大統領は24日の国政演説で、イランが「邪悪な核の野望を再び追求している」と批判し、圧力を一段と強めた。こうした強硬姿勢を受け、一部ではイランが大幅な譲歩を含む異例の交渉案を提示する可能性もあるとの見方が出ている。
イラン、トランプ氏の関心引く構想 「戦争回避と経済的利益の両立」狙う
英紙フィナンシャル・タイムズは、イランが米国との武力衝突を回避するとともに、トランプ大統領の関心を引くため、大規模な石油・天然ガス開発権の提供を検討していると報じた。
関係者によると、イランは経済的利益を重視するトランプ大統領の姿勢を踏まえ、この構想を準備したという。関連提案を通じて戦争を回避すると同時に、経済的利益の確保につなげたい考えとみられる。別の関係者は、「トランプ大統領を特に意識した提案だ」としたうえで、「米国企業にとって、イランの石油やガス、鉱業、重要鉱物など関連分野全般で莫大な経済的利益をもたらす可能性がある」と述べた。
また、「イランはベネズエラの事例を参考にしている」とも指摘した。先月、トランプ大統領がニコラス・マドゥロ大統領の拘束後、米企業に対しベネズエラでの石油事業への参入を促したのと同様の状況を生み出そうとしているという。米エネルギー情報局(EIA)によると、イランの石油埋蔵量は2023年時点で世界第3位、天然ガス埋蔵量は世界第2位となっている。
イラン外務省、米国との経済協力に意欲 「米国が迅速に利益を得られる仕組みが必要」 対イラン制裁の緩和にも期待
イラン外務省の経済担当次官は、自国企業に対し「石油・ガス油田における共通の利害関係や鉱山投資、民間航空機の購入などが、米国との交渉に含まれている」と述べ、米国との経済協力の可能性を示唆した。さらに、今回の合意を持続可能なものとするためには、「米国が迅速に利益を得られる分野で収益を確保できる仕組みが必要だ」と強調した。
米国企業によるイラン国内への投資は、核協議の合意後に対イラン制裁の緩和につながる可能性を意味する。これに関連し、次官は米国が凍結している数百億ドル規模のイランの石油収入資金を解除する可能性があるとの見方を示した。イラン外務省の報道官も、核協議で提示される具体的な提案内容については明らかにしなかったものの、過去に外相がメディアを通じて米国との潜在的な経済協力の可能性に言及していた点を挙げ、協力の余地があることを示唆した。
ウラン濃縮緩和VS完全廃棄 米・イラン、ジュネーブで核協議開始
ただ、米国とイランの立場の隔たりは大きく、双方が受け入れ可能な合意に至るかどうかは依然として不透明な状況にある。
イランは、約400キログラムと推定される濃度60%のウランを希釈し、濃縮度を約5%まで引き下げることで濃縮活動を制限する方針を示したとされる。一方、米国は濃縮ウランの完全な廃棄を求めており、主張の隔たりが浮き彫りになっている。
トランプ大統領は24日の国政演説でも、「彼らは合意を望んでいると言っているが、私はまだその『秘密の言葉』を聞いていない。それは『我々は決して核兵器を保有しない』という言葉だ」と述べ、イランへの圧力を強めた。また米国は、イランの弾道ミサイル計画への制限に加え、中東における親イラン武装組織への支援の停止についても協議の対象とすべきだと求めている。これに対しイランは、交渉はあくまで核プログラムに限定されるべきだとの立場を示している。
核問題をめぐる両国の3回目の協議は、26日、スイス・ジュネーブにある国連駐在オマーン大使公邸で始まった。
海外および現地メディアによると、今回の協議には前回と同様、米国側からジャレッド・クシュナー氏と中東担当特使のスティーブ・ウィトコフ氏が出席し、イラン側からはアッバース・アラーグチー外相が代表として参加した。協議はこれまでと同様、オーマンのバドル・アルブサイディ外相が双方の間を往復し、提案内容を伝達する間接方式で進められている。
















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