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「中国にチャンスを与えたのか」—米軍引き抜きで”台湾周辺”が緊迫…危うすぎる判断

望月博樹 アクセス  

出典:AP通信
出典:AP通信

ドナルド・トランプ米政権が、韓国に配備されたTHAAD(高高度防衛ミサイル)システムの一部や在日米海兵隊員数千人などを中東に再配置したことで、中国に対する抑止力が弱まる可能性があるとの懸念が出ている。こうした中、これまで慎重姿勢を示してきたJ・D・バンス米副大統領は、対イラン軍事作戦への支持を明確に打ち出した。

16日(現地時間)、かつて米政権で要職を務めた元高官は、「インド太平洋地域で中国抑止のために配備されていた米軍戦力の相当部分が手薄になった」と指摘した。さらに、「海兵隊の一部と、韓国に大きな負担を伴って配備した軍事資産の一部が移された」とした上で、「中国が台湾周辺で前例のない規模の出撃を続けている中で、抑止力が移された」と付け加えた。

ここでいう「海兵隊の一部」とは、沖縄に配備されている第31海兵遠征部隊(MEU)の隊員約2500人が、強襲揚陸艦トリポリとともに中東へ向かっているとする最近の米メディアの報道を指すとみられる。また、「韓国に大きな負担を伴って配備した軍事資産」は、THAADシステムの一部を指すとみられる。米国が2017年に慶尚北道星州郡(キョンサンブク道ソンジュ郡)へTHAADを配備した際には、地域住民による大規模な反対運動が起き、韓国が中国と深刻な外交摩擦を経験した経緯があるためである。

この元高官は、インド太平洋地域の米軍資産を中東へ振り向けたことについて、「驚くべきことだ。最も深刻な時期でさえ、今のような抑止力の空白はなかった」と懸念を示した。その上で、「東アジアの抑止力を巡る問題がこれまでになく深刻になっている時期に、米国が再び中東に気を取られ、泥沼にはまり込む可能性がある」と指摘した。

こうした懸念が出る中、同日、バンス米副大統領はホワイトハウスで開かれた行事にトランプ大統領とともに出席し、イラン戦争に関する質問に対して「過去の大統領たちは愚かだったが、今の大統領は賢明で、私はトランプ大統領がやり遂げると信じている」と述べた。さらに、「イランが核兵器を保有してはならないという点については、以前から一貫して同意してきた」と強調した。トランプ大統領による対イラン軍事作戦を支持する立場を明確にした形だ。

バンス米副大統領はこれまで、海外紛争に米国が関与する必要はないとの孤立主義的な立場を維持しており、今回の対イラン軍事作戦の開始前にも懐疑的な見方を示していた。実際に軍事作戦が始まって以降も、比較的静かな姿勢を続けており、トランプ大統領と公の場にそろって姿を見せることも控えてきた。

こうした従来の路線と食い違う今回の発言は、最近のイラン戦争を巡ってトランプ大統領との意見の違いが取り沙汰される一方、2028年の大統領選を見据えたバンス米副大統領の政治的立場に懸念が広がる中で飛び出したものと受け止められている。

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