通航料に加え、インターネット通信網の収益化も狙う

イランが、ホルムズ海峡の通航料徴収に加え、海底インターネットケーブルの使用料まで課そうとしている。
イランのワナ通信は10日、ホルムズ海峡について、エネルギー輸送の最重要動脈であるだけでなく、海底ケーブルを通じてデータを世界各地へ運んでいると報じた。
さらに同通信は、イランが戦略的要衝であるホルムズ海峡の潜在力を生かし、「デジタル主権」を追求すべきだと主張した。
ここでいうデジタル主権とは、ホルムズ海峡の海底ケーブルに対する管轄権を握り、イランの国庫収入を増やすことを意味する。
ホルムズ海峡は、世界の原油輸送の約20%を担うだけでなく、海底に敷設された17本の主要ケーブル網を通じて、世界のデータ通信の約30%も担っている。
「デジタル動脈」ともいえるホルムズ海峡の主要な海底ケーブルには、欧州からイランを経てインドや東南アジアにつながる全長約2万5,000キロの大規模通信網「欧州・ペルシャ・エクスプレス・ゲートウェイ(EPEG)」がある。湾岸諸国とインド、エジプトを結ぶ基幹通信網「ファルコン」もホルムズ海峡を通過している。
イランは、ホルムズ海峡の最大幅が97キロにすぎず、公海が存在しないため、自国が領海主権を行使できるという論理で、ケーブル使用料を求める計画だ。
国際インターネット通信の99%は海底ケーブルを通じて行われている。イラン革命防衛隊は、ホルムズ海峡の海底光ファイバーケーブルを通じ、毎日10兆ドル(約1,576兆6,800億円)以上の取引が行われていると試算している。ドル円は足元で1ドル=157円前後で推移している。
イランは、海底ケーブル網を運営する外国企業に許可を発行し、実際にネットワークを使うGoogle、Meta、Amazonなどの米テック企業から使用料を徴収する考えだ。
ワナ通信は、海底ケーブル網は恒久的なインフラであるため、ケーブル会社はイランに年間使用料を支払うべきだと主張した。
イランには、海底ケーブルの維持管理や修理の権限も自国が独占したい狙いがあるとみられる。
イラン革命防衛隊が運営するファルス通信は、ホルムズ海峡を「合法的に収益を生む戦略的拠点」にするべきだと強調した。
2024年2月には、紅海の海底を通る主要海底ケーブル15本のうち4本が同時に損傷し、アジア、欧州、アフリカを結ぶインターネット通信量の約25%に影響が出る大きな混乱が起きた。
当時は、イランの支援を受けるイエメンのフーシ派がケーブルを意図的に損傷させたとの疑惑が浮上した。しかし実際には、フーシ派の攻撃で沈没したベリーズ船籍の貨物船の錨がケーブルを引っかけたことで起きた事故だった。
故意ではなかったものの、フーシ派の武力行使をきっかけに起きた紅海のケーブル損傷は、ホルムズ海峡でも同様の事故が起こり得ることを示している。
















コメント0