ChatGPT登場後、新卒求人3割減…英若年層にAIの影響
英求人サイト「若年層向け求人は2022年末以降32%減」
AIスキル保有者の賃金は56%高い水準に

英国で新卒者やインターン、研修生など社会人としてのキャリアを始める若年層向け求人がChatGPTの登場以降およそ3分の1減少したことが明らかになった。企業がAIの活用によって人員を削減する中、若年層の就職のハードルが一段と高まっているとの分析が出ている。
英国のガーディアンは先月30日(現地時間)、求人サイトAdzunaの調査結果を引用し、2022年11月のChatGPT公開以降、英国の初級職求人が32%減少したと報じた。
調査対象には大卒新卒向け求人や研修生、インターンシップ、学位を必要としないジュニア職などが含まれる。こうした初級職は現在、英国全体の求人市場の25%を占めており、2022年の28.9%から比率も低下した。
ガーディアンは企業が業務効率化や人員削減の手段としてAI活用を拡大していると指摘した。AI普及の影響が労働市場への参入を目指す若年層の雇用機会縮小として表れ始めているという。
英国通信会社BTのアリソン・カークビーCEOは今月、AIの発展がさらなる人員削減につながる可能性があるとの認識を示した。BTは2年前に4万~5万5,000人規模の人員削減計画を発表している。
また、AI開発会社Anthropicのダリオ・アモデイCEOはAIによって今後5年以内に事務職の半数が失われる可能性があると警告した。失業率が10~20%まで上昇する可能性もあると予測している。
Adzunaの調査結果は求人サイトIndeedが示した分析とも一致する。Indeedは先週、大学卒業生が2018年以降で最も厳しい就職市場に直面していると指摘した。新卒向け求人は6月中旬時点で前年同期比33%減少したという。
企業では既に人が担っていた業務の一部をAIへ移管する動きが進んでいる。後払い決済サービスを手掛けるKlarnaはAIアシスタントが顧客対応業務の約3分の2を処理していると明らかにした。
米IBMもAIエージェントが人事担当者数百人分の業務を担っていると説明している。一方で、その過程でプログラマーや営業職の採用を増やしたとしている。
AIが人間の仕事をより多く奪うのか、それとも新たな雇用を創出するのかについては依然として議論が続いている。国際通貨基金(IMF)は米国や英国など先進国の雇用の60%がAIの影響を受け、その半数はマイナスの影響を受ける可能性があると推定している。
一方、トニー・ブレア研究所は民間部門で雇用が減少する可能性はあるものの、AIが新たな職種を生み出し、その影響を和らげる可能性があるとの見方を示した。
AIの普及は賃金格差の拡大にもつながっている。コンサルティング大手のPwCによる最近の報告書では、AI関連スキルを持つ労働者の賃金はそうでない労働者より56%高かった。1年前、この格差は25%だった。
企業が求める能力も急速に変化している。PwCは金融アナリストのようなAIの影響を受けやすい職種では、雇用主が求めるスキル構成の変化速度が理学療法士などAIの影響を受けにくい職種より66%速いと分析した。
これは労働者が新たなスキル要件に対応することが一段と難しくなる可能性を示している。特に労働市場に参入したばかりの若年層は求人減少と求められる能力の変化という二重の圧力に直面する可能性がある。
英国のピーター・カイル技術大臣は今月、労働者や企業がAIに適応するためには「今すぐ行動する必要がある」と訴えた。
その上で「多くの人は不安を抱いてAIに接するが、実際に使い始めると想像以上に簡単で有益だと気付くはずだ」と語った。













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