「ネタニヤフ、ニューヨークに入れば逮捕か」市長が突きつけた“前代未聞の警告”

米民主党の新たな有力政治家として注目を集めるゾーラン・マムダニ・ニューヨーク市長は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がニューヨークを訪れた場合、逮捕に向けた法的措置を取れるか検討していると明らかにした。
マムダニ市長は7月18日(現地時間)に公開された米紙「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)のインタビューで、9月にニューヨークで開かれる国連総会に言及し、ネタニヤフ首相が総会出席のため同市を訪れれば、逮捕する可能性があるとの考えを示している。ネタニヤフ首相については、「国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を発付した戦争犯罪者だ」と主張した。
ネタニヤフ首相を逮捕する権限があるのかと問われると、マムダニ市長は「ニューヨーク市法務局と活発に協議している案件だ」と答えた。そのうえで、「ネタニヤフ首相に対する個人的な評価を論じているのではない」と説明している。
マムダニ市長は「ICCが逮捕状を発付したという事実、その容疑がいかに重大であるか、そして市長としてニューヨーク市の法律を順守するということを述べている」と説明した。一方で、「ニューヨーク市の法律が認める範囲内で、できることはすべて行う。ただし、その目的のために独自の法律を作ることはない」と強調している。
ICCは2024年11月、パレスチナ自治区ガザでの戦争犯罪と人道に対する犯罪の疑いで、ネタニヤフ首相に対する逮捕状を発付した。
2002年に発足したICCは、集団殺害犯罪(ジェノサイド)や戦争犯罪、人道に対する犯罪など、国際社会全体の関心事である重大な犯罪を犯した個人を訴追・処罰するための常設の国際刑事裁判所である。捜査や訴追、裁判を行う権限を持つものの、容疑者の逮捕や判決の執行を自ら強制する権限はない。
ICCの司法管轄権は、2002年に発効したICCローマ規程の締約国などに及び、日本と韓国を含む125か国が加盟している。締約国は、ICCが逮捕状を発付した人物が自国を訪問した場合、原則として逮捕に協力する義務を負う。米国、中国、ロシア、イスラエル、インドなどは締約国ではない。
イランをはじめとする中東問題を巡り、ネタニヤフ首相と緊密に連携してきた米国のドナルド・トランプ大統領は2025年2月、ネタニヤフ首相への逮捕状発付に関与した裁判官らを含むICC関係者に制裁を科す大統領令に署名した。
2025年11月のニューヨーク市長選を巡ってトランプ大統領と対立したマムダニ市長は、選挙期間中にも、自身が当選すればネタニヤフ首相を逮捕すると公約していた。これに対し、ネタニヤフ首相は2026年6月、ニューヨークのラジオ局によるインタビューで、マムダニ市長の逮捕警告を懸念していないと述べ、同市長がパレスチナのイスラム組織ハマスを支持していると主張している。
米イェール大学ロースクールのハロルド・ホンジュ・コウ教授はNYTに対し、ネタニヤフ首相は国連本部内では政府首脳として免責特権を有するものの、ニューヨーク市内を移動する際には、逮捕を巡る法的紛争の対象となる可能性があると説明した。
コウ教授は「本当の問題は、ネタニヤフ首相がそのような騒動を受け入れる覚悟があるかどうかだ」と述べたうえで、「これはマムダニ市長にも同じように当てはまる問題だ」と指摘している。















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