
豊かな国々が財政赤字を国債発行で埋め合わせる「フリーランチ」の時代が、もはや終わりを迎えつつあると、米メディアのアクシオス(AXIOS)が26日(現地時間)に報じた。先進国の政府が必要に応じて財政支出を拡大し、大規模な減税を進めながらも、高金利やインフレという副作用を避けられていた時代は終わったという指摘だ。
145兆ドル(約2京1,750兆円)規模に膨張した世界の債券市場は、拡張財政を続けてきた各国政府に対し、いまやそのツケを払う局面に入ったと警告を発している。供給網の混乱、政府債務の拡大、人工知能(AI)投資に伴う資金需要が重なり合っていることが背景にある。高止まりする物価に加え、資金需要の拡大によって金利がさらに上昇し、市場の変動性も高まっている。
景気後退に直面した各国は、これまでのように財政政策で景気悪化を下支えできるとは言い難くなっている。放漫な財政運営が国債市場の逆風を招き、より深刻な結果につながる恐れがあるためだ。米国の30年物国債利回りは、今年2月末の4.63%から、今週初めには2007年以来の高水準となる5.18%を記録し、23日の終値は5.06%だった。
日本では、30年物国債利回りが先週、過去最高となる4.15%を記録した。高市早苗首相が、原油価格高騰の影響を受けた家計や企業を支援する緊急景気対策を発表した後のことだった。英国の長期国債利回りは今月初め、2008年以来の高水準となる5.85%まで急上昇した。英国のキア・スターマー首相の退陣後、後任政権が財政健全性を重視しない政策を取るのではないかとの懸念が背景にあった。
長期国債の投資家は現在、インフレによって債券収益の購買力が低下するリスクと、貯蓄の需給変化によって将来的に金利が上昇するリスクの両方に直面している。これらはいずれも現実になりつつある。ここ数年続いているような供給網の混乱が今後も続けば、インフレ率は市場の織り込み以上に構造的な高水準で推移する可能性がある。
高インフレと高金利が家計や政府に与える影響は、すでに鮮明になっている。モーゲージ・ニュース・デイリー(Mortgage News Daily)によると、米国の30年固定住宅ローン金利は、今年2月末には6%を下回っていたが、23日には6.65%まで上昇した。投資家の間では、米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ新議長による最初の政策判断が、利下げではなく利上げになるとの見方が強まっている。景気後退への対応として財政支出を拡大する政策が、かえって金利を押し上げ、経済成長を抑制しかねないとの懸念があるためだ。
「フリーランチの時代」は終わった。減税と財政赤字拡大を同時に進める政策は、もはや成り立たなくなっている。














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