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「ローマの悪夢が蘇る」米国NSSが選んだ”生きているうちの縮小”

梶原圭介 アクセス  

引用: SBS
引用: SBS

ローマ帝国がいつ崩壊したのかという問いは、想定されるよりも簡単には答えられない。ある論者は476年に西ローマ帝国の最後の皇帝が失脚したことを挙げ、また別の論者は3世紀の危機、あるいは、それ以前から崩壊の兆しがあったと考えている。

しかし、出来事の年表よりも重要なのは、その過程に隠されている構造である。覇権国家が没落する理由は、戦争に敗北したからでも、一度に国力が消滅したからでもない。軍事力、財政、同盟、社会統合という帝国の四つの柱がバランスを失う瞬間から、覇権はすでにゆっくりと崩壊を始めるのだ。

問題はただ一つ、このバランスが崩れるとき、帝国はそれを感知し、調整できるのかという点である。

アウグストゥス帝は内戦を終結させた後、ローマ軍制を整備し、約25万人の常備軍体制を確立した。この兵力は、ライン川とドナウ川沿いの国境を防御し、ユーフラテス東部でパルティアと対峙し、アフリカ属州の安定を維持するための最小限の規模であった。

この兵力は征服のための拡張軍ではなく、維持と秩序のための警備軍であった。ローマの全盛期は軍事力の絶頂ではなく、軍事力と歳入と人口と社会基盤が絶妙なバランスを保っていた時期であった。

しかしローマはこのバランスを守ることができなかった。外部からの圧力と内部の権力競争の中で、軍団は拡大した。3世紀の危機に、常備軍は40万人以上に増加し、辺境防御のために膨大な費用と人員が投入された。

問題は軍隊ではなく、その軍隊を支えていた歳入と生産基盤がそれに伴って縮小したという事実である。人口が減少し、経済が衰弱すると、ローマ皇帝たちは銀の含有量を減らし、課税を強化することで不足した資金を補った。そのたびに経済はさらに萎縮し、平民と地方エリートたちは税制を回避したり脱税したりした。

辺境から兵力を引き抜くと属州が略奪され、属州が崩壊すれば歳入が減少し、歳入が減れば兵力を維持できなかった。バランスの崩壊は軍事力のせいではなく、軍事力維持のためのもがきのせいだったのである。結局、ローマは縮小を選択せず、縮小を強いられた。

今、時計を2025年に戻してみよう。米国は世界最大の軍事費を支出し続けており、米軍は事実上、世界の全ての地域に軍事力を展開している。

しかし、今回の米国国家安全保障戦略(NSS)は明確な方向転換を宣言した。本土防衛とインド太平洋への集中、同盟国の防衛費の大幅増額、世界的な民主主義の拡散と国家再建任務の縮小である。米国はもはや自らを世界の警察と定義しない。むしろ、核心的利益の防衛者として縮小を試みている。

この転換は政治的なスローガンではなく、財政構造と軍事力運用の間のバランスを回復するための戦略的な収縮である。

これはローマと正反対の道を辿るものだ。ローマは膨張が止まった後も膨張型の軍隊を維持しようとして崩壊に至ったが、米国はまだ優位を失っていない時点で維持の方法を変えている。

ローマが「遅すぎた収縮」を行った帝国であるなら、米国は「まだ生きているうちに収縮」を試みる帝国である。これが違いであり、そしてこれが希望なのだ。

しかし、現実主義者は楽観を許さない。管理された収縮が成功するためには三つの条件が満たされなければならない。

第一に、国債と利子負担を制御し、長期的に持続可能な財政構造を構築しなければならない。第二に、同盟国が防衛分担を実際に履行し、地域ごとの抑止力が弱まらないようにしなければならない。第三に、米国内部の政治・社会の分裂が深刻なレベルで悪化しないようにしなければならない。このうち一つでも失敗すれば、平和的な再配置ではなく、秩序の崩壊と空白の拡大という別の結果を迎えることになるだろう。

ローマの歴史は問いかける。帝国が収縮を選択できないとき、どのような運命が待ち受けているのかを。米国の戦略は答える。残る力をどこに使うかについて冷静な選択が必要だと。

覇権とは、永遠に大きくなる力ではなく、いつ止まり、どこを守るかを知る力から生まれる。今、世界はローマ末期の歴史的な警告と米国2025 NSSの戦略的決断の間で、重要な分岐点を目撃している。

この時点で問題は一つだけ、米国はローマが失敗した選択を成功裏に実行できるのか。帝国のバランスを取り戻すためのこの収縮が、新しい覇権の持続可能性を開く扉となるのか。それとも、勢いのある衰退の別名となるのか。

歴史は常に同じ質問を投げかけており、今、米国はその答えを記している。

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