
朝鮮労働党第9次大会が2月19日から25日まで、平壌市(ピョンヤン市)モランボン区域の4・25文化会館で開催された。北朝鮮はこの大会を通じて、先代の遺訓を超越した「金正恩(キム・ジョンウン)時代」の本格的な幕開けを宣言した。北朝鮮メディアはこれを「5千年の歴史に類を見ない偉大な勝利を成し遂げた新時代の誕生」と位置づけ、政治的には金正恩総書記が金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)の影から脱却し、独自色を鮮明にした点が注目される。リ・イルファン党秘書は「過去5年間は建国後75年とは画一をなす成果」と言及し、後進性と不均衡の解消に向けた転換点を強調した。
大会終了から3日後、米国による対イラン軍事行動が発生した。北朝鮮にとっては、党大会の成果を対外的に誇示する機会を削がれた形となる。ベネズエラやイランへの攻撃は、指導部排除を狙う「斬首作戦」の性格を帯びており、北朝鮮側はこれを受けて国防態勢を緊急点検した可能性が高い。ただし、公式な反応は外務省報道官談話に留まり、「イスラエルの対イラン攻撃とこれに加担した米国の軍事行動」と表現。非難の焦点をイスラエルに絞り、ドナルド・トランプ米大統領への直接的な言及は避けるなど、極めて抑制的な対応を見せた。
金正恩総書記とトランプ大統領、4月に会談の可能性
「聯合ニュース」によれば、北朝鮮は大会終了後、対米交渉の準備に着手した模様だ。昨年10月、慶州(キョンジュ)でのAPEC首脳会議においてトランプ大統領が会談を提案した際、北朝鮮側はこれに応じなかった。これは交渉力を高めるための戦略的遅延と見られている。北朝鮮は今回の大会で、事実上の核保有国として認められることと、対北敵対政策の撤回を条件に、対話に応じる姿勢を示唆した。これには制裁緩和や米韓合同軍事演習の中止、さらには国交正常化までを視野に入れた包括的な狙いがあるとみられる。
しかし、緊迫するイラン情勢は依然として不確実な要素を含んでいる。北朝鮮は米国を批判しつつ、水面下では交渉を模索する「強硬と融和のツートラック」アプローチを継続する可能性が高い。
労働党大会は5年ごとに開催される最高政策決定機関である。2021年の第8回大会に続く今回の第9回大会は、2030年までの国家運営指針を提示した。北朝鮮は、国防科学発展および武器体系開発の五カ年計画を「100%達成した」と自ら評価し、核戦力が実戦運用段階へ移行したことを公式に宣言した。
「朝鮮中央通信」によれば、国防分野の当面の目標は核弾頭の増産と運用領域の拡大である。これを実現するため、核運用システムの高度化、通常戦力の現代化、AI(人工知能)兵器など新技術の開発、全領域打撃能力の確保などを掲げた。特に核・通常戦力の「並進(ピョンジン)路線」を公式化し、実戦的な戦争遂行能力を強調している。
権力構造の刷新も顕著だ。党中央委員の交代率は50%を超え、若手の実務型官僚が多数登用された。崔竜海(チェ・リョンヘ)氏ら旧世代が第一線を退く一方、軍需および先端兵器の専門家が前面に配置された。また、対韓政策も一段と硬質化した。北朝鮮は韓国を「不変の主敵」かつ「他国」と規定し、従来の民族概念を事実上放棄。外部文化の流入も体制への深刻な脅威と断じた。
結局、北朝鮮は核・軍事力の増強と外交交渉を並行させ、対米協議の主導権を握る構えだ。激変する国際情勢の中で、日米韓による対北政策の真価が問われることになる。













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