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【日欧攻略】EVの新勢力BYD、関税の壁超え販売記録を更新、日本も欧州も“庭先”に?

織田昌大 アクセス  

引用:topictree
引用:topictree

中国の電気自動車(EV)メーカーBYDが、欧州および日本市場において着実に存在感を高めている。欧州連合(EU)の関税強化や、日本の高い参入障壁といった環境の中でも、同社は価格と技術を武器に急速な拡大を続けている。

市場調査会社JATO Dynamicsの最新データによれば、2024年6月におけるBYDの欧州市場での販売台数は9,153台に達し、他の主要アジアメーカーの実績に匹敵する水準となった。BYDは2023年から欧州での本格展開を開始しており、27.4%の関税が課されているにもかかわらず、前年比132%の伸びを記録するなど、高価格帯ではないEVセグメントで確固たる地位を築きつつある。

中でも、英国市場における小型EV「ドルフィン」は18,650ポンド(約367万円)という戦略的な価格設定が注目されている。同クラスの他社モデルと比べて約90万円以上安く、関税負担を抱えながらも競争力を保っている。今後は10月に稼働予定のハンガリー工場を通じて欧州現地生産に切り替えることで、関税回避と価格安定が見込まれており、更なるシェア拡大が期待されている。

アジア勢にとって難攻不落とされてきた日本市場でも、BYDは2023年の参入以降、着実に販売網を拡大している。日本自動車輸入組合(JAIA)によると、2024年上半期の販売台数は1,709台にのぼり、同期間における他アジアメーカーの実績を大きく上回る結果となった。

投入されたモデルは「ドルフィン」「シール」「アト3」「シライアン7」などで、300万円以下の価格帯に8年保証を組み合わせた販売戦略が功を奏している。とりわけ、電動セダン「シール」は「日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025」を受賞するなど、価格以上の技術的評価を得ている点が特徴的だ。

日本市場ではこれまで、価格帯に関係なくブランドイメージやアフターサービス体制が購買判断に大きな影響を与えてきた。しかし近年は、EVの性能やコストパフォーマンスを重視する消費者が増えており、BYDのような新興勢力にも追い風となっている。

ある自動車業界関係者は、「BYDは中国本土での大規模生産によるコストメリットを最大限活かしており、今の市場ではブランドよりも製品そのものの完成度が重要視されつつある」と語っている。

さらに、米国が中国製EVに対して高関税を課す中、欧州や日本など他の市場を重視するBYDの戦略も功を奏している。中・低価格帯の実用的なEV需要に的確に応えている点で、今後のグローバル市場における台風の目になりそうだ。

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