
グローバル自動車業界が中国製電気自動車の攻勢に苦しむ中、日産自動車のCEOが「中国が自動車産業の未来の標準を作っている」として、中国式の開発手法の全面導入を表明した。
スペインの自動車専門メディアHíbridos y Eléctricosは、23日、日産のイヴァン・エスピノーサ社長が国際メディアのインタビューで述べた内容として報じた。
エスピノーサ社長は「技術力、コスト競争力、開発期間など複数の分野で中国が業界標準を定めている」とし、「我々は中国から学び、そのノウハウを輸出しなければならない」と語った。
2年連続で大規模な赤字を計上し、経営再建の渦中にある日産が中国発のスピード革新を突破口に掲げており、既存の完成車メーカーの開発慣行全般に波及効果をもたらす可能性がある。
55か月の開発期間、26か月へ
日産が導入した開発加速手法の核心は、エスピノーサ社長が「中国プレイブック」と呼ぶ統合工程の革新体系だ。
日産を含む既存の完成車メーカーは、これまで新車1台を企画段階から量産開始まで平均55か月を要していた。日産経営陣が最初に目標とした短縮期間は30か月だったが、中国の合弁パートナーである東風汽車集団との実際の協業の結果、これを大きく上回る成果を得た。
日本経済新聞のインタビューによれば、日産と東風汽車が共同開発し、2025年に発売されたEV「日産N7」はわずか24か月で市場投入されたという。この経験を踏まえ、現在開発中の次世代スカイラインは26か月で完成させ、2026年末の発売を予定している。
エスピノーサ社長は、この手法を2026年度の新車プログラムの90%に適用する計画であることを確認した。開発スピードを上げても品質は低下しないというのが日産側の説明だ。
また同インタビューで「設計・テスト・生産の各段階においてAIとデジタルツールを幅広く活用することが鍵だ」と述べた。
不要な工程や非効率を削減し、AIが部品の多数の設計変数を同時にシミュレーションすることで物理的なテストの回数そのものを減らしたという。
既存の完成車メーカーでも同様の動きが広がっている。
フォルクスワーゲンはソフトウェア定義車両(SDV)構造を基に開発期間を50か月から36か月に短縮することを目標としており、ステランティスは2027年の発売を目指してB・C・Dセグメントに対応するモジュール型プラットフォーム「STLA One」を公開し、従来の5つのプラットフォームを統合する取り組みを進めている。
日産の26か月という数字は、こうした競合他社の目標値をすでに上回っている。
2年連続の大規模赤字——「スピード革新」が再建の鍵に
こうした宣言の背景には、日産の厳しい財務状況がある。日産の2025年度(2025年4月〜2026年3月)の純損失は5,331億円となった。
前年度(2024年度)の6,709億円の赤字に続く2年連続の大規模損失となった。販売面の低迷も続く。2025年度のグローバル販売台数は315万台で前年比6%減となり、2026年に入り国内販売は1993年以来の最低水準に沈んでいる。
エスピノーサ社長は国内市場の不振の原因として新車の空白とともに、前体制下で積み重なったブランドイメージの損傷を指摘した。
日産はコスト削減とラインアップ再編を同時に進めている。全世界で9,000人の人員削減に着手しており、2万人規模の構造改革を進めるなか、研究開発(R&D)費も今年度18%削減した。
プラットフォーム戦略も整理し、3つの主力車両プラットフォームで世界販売の約80%をカバーする体制への転換を目指している。ホンダとの協業に向けた協議も続いている。
エスピノーサ社長はホンダとの協議が「非常に建設的に進んでいる」と述べ、半導体・部品規格の標準化などで協力の第一歩を踏み出していることを明らかにした。
業界では、新車ラインアップの実質的な競争力回復が伴わなければ、戦略の成果は限られるとの見方が多い。
エスピノーサ体制で本格的な新型車が市場に出るのは2028年以降になるとの見方もある。
開発サイクルを半減させる日産の試みがブランド復活の転換点となるか——その第一の試金石は今年末に発売が予定される次世代スカイラインとなるだろう。













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