夏場のエアコン性能低下、まずはコンプレッサーの仕組みから

厳しい夏が近づくにつれ、自動車のエアコン性能に関心を寄せる声が増えている。今回は、エアコンの設置・修理の現場に携わる専門家の話をもとに、自動車用エアコンの仕組みと性能低下の原因を順に見ていく。
エアコンを理解するうえで欠かせないのが、コンプレッサー(圧縮機)の存在だ。自動車はエンジンの動力をベルトで伝達してコンプレッサーを駆動している。夏場にエアコンを作動させると燃費が悪化するのも、コンプレッサーがエンジンの動力の一部を使うためとされる。一方、家庭用エアコンは同じコンプレッサー方式でも電気で駆動する点が異なる。
エアコンを作動させた瞬間から、エバポレーターには常に水分が結露する。冬場の窓に生じる結露と同様、内部と外部の温度差によって作動中も継続的に水滴が形成される仕組みだ。近年、純正車両にも搭載例が増えている「アフターブロウ」機能は、この水分を除去してカビ臭を防ぐ役割を担っている。

冷媒ラインも徐々に詰まっていく
冷媒が循環するラインも、長期間使用するうちに内部にスラッジが蓄積し、狭くなっていくという。これは、コンプレッサー内部で冷媒と一緒に循環するオイルが原因とされる。
冷媒ガスとオイルは分離されているわけではなく、冷媒サイクルの中で一緒に循環している。自動車用エンジンオイルと同様、このコンプレッサーオイルも使用するうちに炭化・酸化して粘度が変化するが、エンジンオイルと異なり定期的に交換されることは少ない。そのため時間の経過とともに性能が徐々に低下しやすく、スラッジを溶かす添加剤を使うことで性能が回復するケースもあるという。

なお、自動車用よりも建物用の大型エアコンの方がスラッジが発生しやすい傾向があるとされる。これは、コンプレッサーが大きくなるほど循環するオイルの量も増えるためだという。
エアコンを長持ちさせるには、日々の管理が鍵になる
エアコンを長く効率的に使うための工夫も紹介された。アフターブロウ機能のない車両では、目的地に到着する前に冷房ボタンだけを切り、送風状態を保ってエバポレーターの湿気をある程度除去しておくと、臭いの予防に役立つという。エバポレーターの洗浄も、臭い対策として効果的な方法の一つとされる。

見落とされがちなのが、コンデンサーの洗浄だ。車両下部から高圧水でコンデンサーの埃を取り除くと、凝縮効率が改善し、吹き出し温度にも変化が表れるという。エバポレーター側の埃を最小限に抑えることで蒸発効率が高まり、冷たい風がしっかりと出るようになる。
自動車用エアコンは、夏場の直射日光下で車内温度が60〜70度まで上昇する過酷な環境でも瞬時に冷房を効かせなければならず、建物用エアコンよりも厳しい条件で作動しているといえる。年式の古い車両に乗る人や、日頃からの継続的な管理を望む人にとって、こうした点を踏まえたメンテナンスは検討する価値があるといえるだろう。















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